サポーターに吉井怜さんを迎え、MSと離島3島が新プロジェクト

    小山安博  [2006/10/17]

    マイクロソフトは、ブログを活用した地域振興プロジェクト「ブログで離島応援計画」に参画し、ブログに訪れるユーザーとのコミュニケーションからIT技術を駆使した新しい観光誘致策などを選定、離島が抱える問題の解決を図るプロジェクトを開始する。参画する離島は島根県・隠岐の島、鹿児島県・十島、東京都・式根島の3島で、それぞれ今回のプロジェクトに従ってブログを立ち上げる。

    会見には「遊び名人」の隠岐の島の子供も参加。中央は女優で今回のプロジェクトのサポーターである吉井怜さん。後段は左から松田和久・隠岐の島町長、福満征一郎・十島村助役、清水欣吾・式根島観光協会長

    同様の取り組みとしてマイクロソフトは、昨年式根島と「式根島リゾートプロデュース」と題して新しい観光誘致に向けたシステム開発のアイデアを募集。全国から700人程度が応募しており、今回はその取り組みを拡大したもの。

    企画の概要

    隠岐の島の課題

    同じく十島

    同式根島

    各島はそれぞれ離島ならではの問題を抱えており、たとえば二十数年前まで年間6万人が訪れていた式根島は、現在2万3,000人程度に観光客が減少。160kmの範囲に広がる有人7島からなる十島は、各島に診療所と看護師はいるものの医師は1人だけしかおらず、まだ体育館のない小中学校があるなど、「離島のハンデを克服できていない」(十島村・福満征一郎助役)のが現状だ。

    隠岐の島や式根島では観光客の誘致を、十島ではブロードバンド未導入の現状の打開を求め、マイクロソフトと組み、ブログを訪れる一般ユーザーやITエンジニアのアイデアを集め、ITを使ったシステムの構築を狙う。

    具体的にはそれぞれの島の青年会や観光協会が専用のブログを立ち上げ、そこに毎日のように書き込みを行い、その読者のコメントやトラックバックによるコミュニケーションを行っていく。

    特にITエンジニアには具体的なシステムのアイデアを出してもらい、最終的にはそれを応募の形で提出、それを各島とマイクロソフトが検討し、実際のシステム構築までこぎつけるのが大きな目的だ。

    ただ、十島に関して、提出されたアイデアは国へブロードバンド環境の構築を陳情するための資料として活用される。十島は鹿児島から奄美大島・沖縄をつなぐ光ファイバがすでに敷設されており、それを各島に延伸するだけで済むため、まずは3島へケーブルを延ばし、他の島へは無線を利用。最終的に「理想的な形」(福満助役)である各戸への環境構築をした場合は、12億円程度が必要になるそうだ。得られたアイデアを国の要望書に添付し、ブロードバンド環境構築の予算獲得を狙っていく考えだという。

    計画によれば、式根島は予算100万円、隠岐の島は予算160万円でのシステム構築を検討している。この予算に収まるようなシステムのアイデアを求めている。

    マイクロソフトと式根島による前回のプロジェクトでは、選ばれた5チームによって提出された計画のうち、モバイル端末を使って島内の観光地を案内するシステムが選ばれ、実際の構築寸前までいったというが、いったん計画はストップし、今回のプロジェクトの成果もふまえて、改めて観光誘致策を決定する。

    選定されたプロジェクトの立案者には、名誉島民の称号のほか、各島から闘牛や期限付きの島への旅費・宿泊費などが提供される。

    プロジェクトの実施期間は、隠岐の島が10月12日から6週間半、十島が11月6日から6週間半、式根島が11月29日から5週間の日程で実施する。すでに隠岐の島のブログ( http://okinoshima.spaces.live.com/ )は立ち上がっている。プロジェクトに参加する関係者のブログに加え、女優の吉井怜さんもサポーターとして参加する予定だという。

    各島の魅力を聞く吉井さん。ダイビングのライセンスを所有しているとのことで、離島ならではの海の魅力に関心を寄せていた

    式根島の清水欣吾・観光協会長はブログのコミュニケーションで、島に来た人の「悪口が聞ける」点も今回のプロジェクトのメリットの一つに挙げる。観光客が島に来て満足しているのかしていないのか、満足していなければどこに問題があったのか、それを改善点として観光客の満足度を上げ、リピーターにつなげる、そんな思惑もあるようだ。

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