誤検知率0.0001%の高性能迷惑メール対策アプライアンス - センドメールら

    又江原恭彦  [2006/10/02]

    今やメールを利用していない企業は限りなくゼロに近いほど、ビジネスにおけるメールの利用は常識的な環境となってきているが、いわゆる迷惑メール(以下、スパムメール)はなくならず、むしろ増加し続けている。しかし、スパムメール対策は各企業とも進んでいないのが現状であるといえる。これには大きく2つの原因が考えられ、1つは「効果の低さ」であり、もう1つは「管理負担の重さ」である。

    その2つのマイナス要素を払拭し、更に低価格性を実現したスパムメール対策用のセキュリティアプライアンスサーバ「EasyNetBox for Spam Filter powered by Sendmail(以下、ENBスパムフィルタ)」が、センドメール、CSK Winテクノロジ、テンアートニの3社共同プロジェクトとして2日に発表され、同日より発売が開始される。

    従来の課題であった「効果」の低さとは、製品ベンダーから提供される一定のフィルタリング機能と、スパムと判断するためのデータベースの精度に依存せざるおえない点にユーザーの不安があった。つまり、メールの運用・トラブル対応と並行して、フィルタリング精度やデータベースのアップデートなど、チューニングを繰り返す必要があるため、「運用負担の重さ」が発生し、精度をあげれば、本来フィルタリングされてはならないメールがチェックされ(フォールスポジティブ)、そのトラブルを回避しようとするとスパムメールがまた増える(フォールスネガティブ)という、負の連鎖におちいっていた。

    ENBスパムフィルタでは、「ワールドワイド」規模での「コラボレーション」コミュニティにより、スパムの識別元となるデータの精度を飛躍的に向上させる手法を採用し、さらにチューニングレスという運用上の効果ももたらし各種データはWebインターフェースにより視覚的にレポーティングされている。

    EasyNetBox for Spam Filter powered by Sendmail

    その効果の基盤となっているコミュニティとは、約156カ国に存在する2,000万ユーザー、1,600企業、2,000社のISPによるスパムメールの情報コミュニティである。ENBスパムフィルタをスルーする新たなタイプのスパムメールが発見されると、スパムメールのフィンガープリントがフィードバックされ、Nomination Server(登録サーバ)に記録される。さらに、その情報が信頼できる情報なのかをTrust Evaluation System(信頼度評価システム)が判別し、信頼しうる情報であればデータベースに登録され、カタログサーバよりENBスパムフィルタにフィードバックされる。この間のタイムラグは、およそ数分レベルで運用されている。

    フィードバックのイメージ図

    2,000万ユーザー全てが情報をフィードバックすることはありえないが、仮にそのうちの0.1%でもフィードバックがあれば、2万のフィードバック情報となり、データベースの精度をあげていくには十分な量と考えることができる。現在では1日あたり5億件あまりの情報が寄せられているという。

    センドメールは、従来のスパム対策用アルゴリズムも並行して採用しながら検討を進めてきたが、最も精度が高くなったのは、今回の手法に絞り込んだケースということが確認されたため、他のエンジンやデータベースは一切採用していないという。

    今回リリースされるENBスパムフィルタは、100ユーザーライセンス、200ユーザーライセンス(ともにハードウェア、ソフトウェアの仕様は同一。ラインセンスのみ異なる)の2タイプで、省スペース・省電力を実現したコンパクトなアプライアンスタイプとなっており、中小企業ユーザーのメール環境にたいして複雑な変更を強要することなく導入できることをポイントに展開を進めるという。300ユーザーを超えているエンタープライズ系のユーザーには、筐体をFUJITSU PRIMERGYシリーズに変え、個別導入としての対応を進める。

    ステータス画面

    センドメールはENBスパムフィルタのソフトウェア開発・提供を行い、テンアートニはそのアプライアンス化と導入支援を行う。そして、ユーザーへのサポートをCSK Winテクノロジーが行う役割となり、製品の特徴でもある「コラボレーション」を、提供企業3社でも実現して、国内中小企業ユーザーを中心に、年内で約300台の出荷を見込んでいる。

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