新作上映にファン歓声「攻殻機動隊S.A.C.オールナイト~公安9課24時」

    野口智弘  [2006/09/29]

    9月10日深夜から早朝にかけて、東京・テアトル新宿にて上映会「攻殻機動隊S.A.C.オールナイト~公安9課24時」が行われた。このイベントは人気アニメ『攻殻機動隊』の最新作『攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX Solid State Society』の完成を記念して行われたもので、最新作の『~Solid State Society』がHDマスター&5.1chにて上映されたほか、第1シリーズ、第2シリーズから厳選されたエピソードなどがあわせて上映された。『~Solid State Society』は、9月1日より「スカパー!パーフェクトチョイス160」にて先行放送されているが、視聴環境にないファンはDVDが発売される11月24日まで待たなければならない。そのため会場には数多くのファンが詰めかけ、非常に競争率の高いイベントとなった。上映会では超満員の観客を前に主要スタッフによる挨拶が行われた。

    作品のメインビジュアルから。DVDは11月24日発売予定。価格は10,290円。
    (c)士郎正宗・Production I.G/講談社・攻殻機動隊製作委員会

    当日の会場風景から。立ち見も多数出るほどの大盛況となった

    神山健治氏(監督・脚本)「今日は大変に並んでいただいたということで、嬉しいんですけど、申し訳ないなという気持ちです。本来は映画館で上映することを想定してなかったんですが『一夜限りでもスクリーンにかけたい』というスタッフの努力でこのイベントができたことにすごく感謝していますし、来ていただいた人たちにもありがたい気持ちでいっぱいです。脚本で言えば4話分、作画で言えば10話分くらいの労力をかけて作っています。これは僕たちの挑戦でもあったし、上からの『52本よく作ったから、チャンスをやろう』という、ひとつのプレゼントだと思ってやってきました。みなさんの頭がついて来られるか挑戦するつもりで作っていますので、じっくり見ていただければと思います」

    後藤隆幸氏(総作画監督・キャラクターデザイン)「今回もテレビサイズで作っているので、大きい劇場で見られるのは作画的には恥ずかしいんですけど(笑)、楽しんでください。長丁場になると最初に描く絵と後半に描く絵が変わってくるので、その辺は気をつけてやりました。中村さんと関口さんというふたりの作画監督と一緒に作業をしたんですが、そのふたりの力もかなり入っているので、僕は楽をさせてもらったというか(笑)。監督には内緒なんですが、事前に作画監督同士で『テレビシリーズから変えないようにしよう』という話をしたんです。いままでのファンが同じ気持ちで作品を見れるように作り上げたほうがいいんじゃないかなということで作業にあたりました」

    神山健治監督。次回作『精霊の守り人』(2007年放送予定)をほぼ同じスタッフで制作中とのこと

    総作画監督・キャラクターデザインの後藤隆幸氏。なおプロダクションI.Gの社名の由来は「I」が石川社長、「G」が後藤氏といわれている

    菅正太郎氏(脚本)「夜遅くなのにこんなに集まっていただいてありがとうございます。いままで楽しんで見ていただいた人に対して、同じぐらいの濃度やテンションを出さなきゃいけないというのは監督からの命題としてありましたし、このチームで挑戦する初の長尺作品ということで、いままでにないやり方を試して脚本を書いたりしました。前作の『2nd GIG』から2年経った世界を見ていただければと思います」

    櫻井圭記氏(脚本)「本来ならこのタチコマは動くんですが、今日はプログラムの方がいらっしゃれなくて……(会場笑)。すいません、今日はこれを持つ役として出てきました。(脚本作業では)丸々90分となるとつぎの放映までの間が使えないので『意外とCMとかに助けられてたんだな』という気がして、そこは大変でした。まだタチコマが出てくるかというのはわからないですが(会場笑)、そんなところも見てください」

    脚本チームとして活躍した櫻井圭記氏(左)と菅正太郎氏(右)。中央は話題のタチコマロボット

    遠藤誠氏(3D監督)「戦車とかアームスーツの動きを担当していました。これだけの方に見ていただけるということで非常にうれしいです。今回は3Dが全般に渡って出てきてまして、たぶん総尺の半分くらいに3Dが出ているんですね。いままで目指してきた、2Dと融合を図るための3Dを見ていただきたいです。どこが3Dかよく探してみてください」

    田中宏侍氏(撮影監督)「いままでは視聴環境が様々だったと思いますが、今回はこちらの意図した画面に調整しています。暗がりを見てほしい、というかあまり見てほしくないんですけど(笑)、雰囲気を感じてもらえればと思います。大変さはあまりテレビのときと変わっていないんですが、今回レイアウト用紙のサイズが大きくなって絵の密度が上がっているので、描く方は大変だったと思います。シリーズを積み重ねてきた総決算ですので、特別大変だったというよりも楽しかった感じがします」

    撮影監督の田中宏侍氏(左)と、3D監督を務めた遠藤誠氏(右)。技術スタッフの談話を聞ける貴重な場ともなった

    大塚明夫氏(声優・バトー役)「いやー、1枚1枚描くのは本当に大変でした(会場笑)。今日は飛び入りで来たのでギャラは発生していません(会場笑)。近所に住んでいるものですから、賑やかしでフラフラとやって来てしまいました。録り終わって2年経つんで、普通はどういうふうにやってたか忘れちゃうものなんですけど、バトーだけはまったくそのまま入れました。『ゴーストが乗り移っているかな』という感じがして楽しかったです。いつもどおり面白いっすよ? 安心して見てください」

    バトー役の大塚明夫氏。飛び入りのサプライズゲストとして、とくに大きな歓声を浴びていた

    抽選会ではゲストが寄せ書きした特製のサイン色紙もプレゼントされた

    左より遠藤氏、田中氏、タチコマ、櫻井氏、神山監督、大塚氏、後藤氏、菅氏

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