韓国でのiTunes人気は? - 大規模音楽ファンド結成でホットな韓国音楽市場

    佐々木朋美  [2006/09/27]

    携帯電話キャリアのKTFは27日、CJミュージックとともに100億ウォン(約12億4,000万円)規模の音楽ファンドを結成したと発表した。

    CJミュージックは音楽の企画・制作のほか、アーティストのマネジメントや公演主催、音楽ポータルの運営などを幅広く手がける、韓国の音楽専門の大手企業だ。

    今回結成されたファンドは、KTFの音楽コンテンツ確保とともに、韓国音楽の量・質的な発展と、デジタル音楽市場の活性化を目的として作られたものだ。

    KTFが50億ウォン(約6億2,000万円)、CJミュージックが40億ウォン(約4億9,000万円)、そして業務執行組合員(ジェネラル・パートナー)としてセンチュリーオン技術投資が10億ウォン(1億2,400万円)を出資している。10月に運用をスタートし、運用期間は5年だ。

    こうして結成されたファンドでは、CDや音楽、公演への投資以外に、オンライン+メディア+デジタルといった多角的な新規流通チャネルの開拓、新人アーティストの発掘などを行っていく。

    KTFでは、自社が行っている音楽配信サービス「dosirak」を中心に優れた音楽コンテンツを確保し、音楽ポータル市場の占有率を拡大していきたい考えだ。一方のCJミュージックは、モバイルへの音楽コンテンツ供給という販路拡大を通して、音楽市場における地位を高めていきたいとしている。

    韓国の音楽配信市場/事情

    ところで韓国では、早くからMP3プレイヤーや携帯電話のMP3鑑賞機能が普及していた。

    当初は著作権問題を解決できていない無料サイトやP2Pサイトが主流で、これが問題となっていたが、2004年頃から大手キャリアを中心に音楽配信サービスが開始されると、一定料金を支払って音楽を聴くという認識が定着してきた。

    インターネット市場調査会社のRankey.comの調査によると、2005年9月から2006年8月までの期間、韓国でもっとも多くのユニークユーザーを確保しているのは「Bugs」であることが明らかとなった。このBugs、以前は無料で音楽を配信するなどの問題があったものの、楽曲の豊富さから多くのファンを確保し、その根強い人気は有料化後も続いているようだ。

    これに次ぐのはSK Telecomの「MelOn」だ。KTFのdosirakよりもはるかに多いが、これは両社の市場占有率(8月末時点でSK Telecomが50.5%、KTFが32.2%)という視点で比較すれば、自然な結果と言えるかもしれない。

    逆にここで注目なのは、Apple Computerが運営する「iTunes」のユニークユーザー数の低さだ。昨年9月からのユニークユーザーは、増えもせず、減りもせずの平行線をたどったままとなっている。

    主要音楽配信サイトにおける、2005年9月から2006年8月までの1カ月のユニークユーザー平均数の推移。ユニークユーザー数の単位は100人
    (資料提供: Rankey.com)

    韓国はAppleのiPod登場以前から、MP3の市場がある程度できあがっていた。そこにReignComの「iriver」シリーズのヒットや、MP3機能付き携帯端末のリリースと音楽専用サービスの開始が続き、韓国企業の活躍が目立った。後発のAppleにとっては、やや不利な状況ではないかと考えられる。

    ただし、デザイン性が高く、世界的にも人気のiPodが、韓国の若者の心をひきつけているのも確か。街の中でiPodを見かけることは随分と多くなり、これに伴ってiTunesも今後人気を広げていく可能性は十分考えられる。

    また、KTFのように音楽コンテンツに投資しようとする動きは、とくに通信事業者の間で盛んであり、今後のサービスの展開によっては、現在のユニークユーザーの構造が大きく変わる可能性も秘めている。

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