ヒトとロボットの共存へ - 日立、人混みの中でも移動できる技術を開発

大塚実  [2006/09/12]

日立製作所は12日、人混みの中でもその間を縫って移動することができるロボット技術を開発したと発表した。同社の車輪駆動型ロボット「EMIEW(エミュー)」を使い、実験に成功したもの。ロボットが一般社会で広く利用されるようになるためには必須の技術で、人間とロボットの共存へ向けた第一歩と言えそうだ。

歩いている人たちを避けられるようになった「EMIEW」。ハードウェアは従来と同じで、ソフトウェアを改良したという

「EMIEW(Excellent Mobility and Interactive Existence as Workmate)」は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業「次世代ロボット実用化プロジェクト プロトタイプ開発支援事業」の一環として、同社が2005年に開発したロボット。倒立二輪移動機構を採用したヒューマノイドロボットで、人間の早足程度となる時速6kmの高速走行が可能となっている。

これまで、EMIEWには距離センサーを利用した障害物の回避機能はあったが、今回、同社はそれをさらに強化。複数の歩く人がいるような環境でも、それぞれの位置と速度を検出し、人間のようにすれ違うことができる行動パターンを導入した。検出・判断は約0.5秒ごとに行われており、人が歩行途中で速度を変えたり、新たに現れたりした場合でも対応できる。

人間とすれ違う際には違和感がないように、一定の距離を空けて避けるようなアルゴリズムになっているという(近すぎると"ちょっと避ける"という感じ)。同社の実験では、8mの経路の中で、時速約4.3kmで歩く4人とすれ違わせた。EMIEWはその間を時速約2.9kmで滑らかに移動できたということで、まだ"人混み"というほどの人数ではないものの、有効性は確認できた。

この技術は、14日より岡山市で開催される「第24回日本ロボット学会学術講演会」で発表されるほか、EMIEWによるデモンストレーションも、10月23日よりパシフィコ横浜で開催される「FISITA 2006 World Automotive Congress Yokohama」で実施される予定。

ちなみに人間同士の場合でも、すれ違うときには向こうから来た人と同じ方向に避けてしまい、それを2~3回繰り返す"路上フェイント合戦"になってしまうことは良くある。同社に確認したところでは、「ぶつかりそうになったら止まります」ということで、EMIEW相手にはこういうばつの悪い思いをすることはなさそうだ。

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