「必ず名機と呼ばれるようになる」 - EOS Kiss Digital X

    小山安博  [2006/08/24]

    既報の通り、キヤノンはエントリー向けのデジタル一眼レフカメラ「EOS Kiss Digital X」(以下、Kiss D X)を9月8日から発売する。デジタル一眼レフカメラ普及を先導してきたKiss Digitalシリーズの最新モデルは、いくつかの大きな新機能を搭載してきた。キヤノンでは「必ず名機と呼ばれるようになる」(キヤノン取締役イメージコミュニケーション事業部・岩下知徳事業本部長)と自信をのぞかせる。

    岩下本部長

    小型軽量ながら高機能なKiss D X

    Kiss D Xの特徴

    Kiss D Xの前面と背面。前面から見ると、ロゴ以外はKiss D Nと変わらない。重さ以外のサイズも同等だ。背面は液晶部が大きな変更点。背面の右手親指を配置するあたりに滑り止めのラバーが設置されている

    本体上部

    ストロボも従来通り

    本体カラーは2色を用意

    ゴミを「出さない、つけない、残さない」総合的なゴミ対策

    Kiss D Xの最大の特徴といえるのが、撮像素子に付着するゴミを除去するゴミ取り(ダストリダクション)機能だ。オリンパスが先んじ、ソニーが「α100」で追随した機能だが、今回キヤノンは撮像素子を振動させてゴミをふるい落とすだけでなく、総合的な対策を用意してきた。

    開発にあたってはゴミを「出さない」「つけない」「残さない」を合い言葉にしたという。まず、製造工程での配慮はもちろん、部品同士がこすれたり削れたりするなどして本体内部から「ゴミを出さない」よう工夫を施した。岩下本部長は、ゴミがセンサー面に付着する最大の原因は静電気にあるとし、カメラ内の各種部品から静電気を逃がすようにして「ゴミをつけない」ことを実現。それでも付着してしまったゴミは、撮像素子(正確に言えばその前面にあるローパスフィルター)を超音波で振動させ、ふるい落とすことで「ゴミを残さない」ようにした。

    Kiss D Xの内部。右下にあるのが超音波振動によりゴミをふるい落とすセルフクリーニングセンサーユニット


    さらにKiss D Xでは、白い紙を撮影することなどでローパスフィルターに付いてしまったゴミの位置を認識させる機能を搭載。これをカメラに記憶させておいて撮影をすると、各画像のEXIFデータ内にゴミの位置を記録するようになる。これをカメラに付属のRAW現像ソフト「Digital Photo Professional(DPP) 2.2」で読み込めば、1クリックで画像に写りこんだゴミを修正してくれる。ゴミの位置によっては確実に、かつ自然に修正することができない場合もあるが、クリック1つで一気にゴミを消すことができる。

    DPP 2.2の画面。写真では分かりづらいが、画面右上にあるボタンを押すだけでゴミが消える

    キヤノンではこうした一連のゴミ取り機能を「EOS Integrated Cleaning System」と名付け、これにより「ほとんどのゴミは落とせると思うし、カメラの快適さは従来に比べ一段も二段もすばらしくなる」(岩下本部長)。今後対応機種を拡大していく意向だというが、現時点ではこれ以降の全機種に搭載するかどうかは明言されなかった。

    今回キヤノンが搭載したローパスフィルターを超音波で振動させる仕組みは、オリンパスの「ダストリダクションシステム」と同じ考え方だ。岩下本部長によれば、キヤノンはEFレンズに採用したUSM(超音波モーター)で20年近く研究開発を続けており、「そこで培ってきた超音波振動に関するシミュレーションやノウハウを活用した」(同)。そのため「一番落ちやすい振動モード」(同)になっているという。オリンパスの方式との明確な違いは明らかにされなかったが、「独自方式」(キヤノン)なのだそうだ。

    なお、今回の「セルフクリーニングセンサーユニット」は、電源オン時/オフ時と手動の2種類の動作が選べる。超音波振動は1秒程度の時間が必要で、電源オン時にとっさに撮影したい場合は、シャッターボタン半押しで振動がキャンセルされ、すぐに撮影に移れるという。

    基本性能のさらなる向上、シェアは45%を目指す

    さらに、「基本性能を落とすことなく画素数アップに成功した」というAPS-Cサイズ(22.2×14.8mm)・自社開発の有効約1,010万画素CMOSセンサーや、ハイアマチュア向けの「EOS 30D」にも搭載されている中央F2.8対応センサーを含む9点測距AFセンサー、3コマ/秒の間隔でJPEG / ラージ / ファイン画質は27コマまで、RAWでは10コマまで連続撮影といった性能向上を実現。

    センサーや連続撮影枚数も改善

    2.5型約23万画素と大型・高精細化した液晶モニタは、これまで液晶上部のモノクロ表示パネルに表示していた各種撮影情報を表示するようにした。ファインダー下部にセンサーを設け、ファインダーをのぞくと液晶表示が消える仕組みも備え、性能と使い勝手のいずれも改善させた。

    「ユーザーの感性を120%引き出せる道具を作り出し、ユーザーと道具が一致したときに(そのカメラは)名機と呼ばれる」と岩下本部長。Kiss D Xは、「デジタル一眼レフカメラ史上を大きく広げる使命を背負っている」(同)カメラであり、「国民に広く愛された」(同)EOS Kissシリーズの10代目として、発売後3カ月(12月)までで単独シェア45%を目指す。

    Kiss D Xはエントリーユーザー向けとして、幅広いユーザーの取り込みを目指す

    銀塩カメラの「EOS Kiss」(1993年)から数えて10代目となるKiss D X

    Kiss D Xは名機になれるか

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