米Boeing、機内ネット接続サービス「Connexion by Boeing」から撤退

 

米Boeingは8月17日(現地時間)、航空機内インターネット接続サービス「Connexion by Boeing(CBB)」を終了し、同市場から撤退することを発表した。CBBは2004年5月に、ドイツのルフトハンザ(Lufthansa)航空の定期便の一部で一般利用者向け商用サービスの提供が始まった。その後、日本航空(JAL)や全日空(ANA)などの日系航空会社をはじめ、世界の航空会社数社で導入が進んでいた。正式サービスインからわずか2年と少々で撤退が発表されたことになる。

CBBは通信衛星を用いて航空機と地上を接続し、航空機に搭乗している利用者にIEEE 802.11b/gベースの無線LANによる機内インターネット接続環境を提供するサービスだ。従量制、または26.95ドルの定額料金でフライト中にインターネット接続が利用し放題となる。登場時には画期的なサービスとして注目を集めたものの、同社によれば、きちんとビジネスとして成立するにはハードルが高かったようだ。Boeing会長で社長兼CEOのJim McNerney氏は「Boeingは過去6年にわたり、CBB実現のために多くの時間とリソース、技術を投入してきた。だが残念なことに、市場はわれわれの思ったほどにこのサービスを必要としていなかったようだ」と述べている。

Boeingは2006年度後期(5-10月)の損失額を、最大で3億2,000万ドル、1株あたり26セントと見積もっている。一方で2007年度には黒字に転じ、1株あたり約15セントの利益にまで回復すると予測する。損失額には、CBB利用者への早期解約によるサービス料金返還などサービス停止に関するコスト負担のほか、CBBの保有する資産などが含まれる。子会社であるCBBに勤める従業員の多くは、そのままBoeing社内の他の部署に配置転換されることになる。

今回のBoeingの発表はCBBユーザーには残念な決定だが、航空機内でインターネットを利用する道が閉ざされたわけではない。通信機器会社の米AirCellは2005年3月に、「AirCell Broadband System」と呼ばれる独自の機内ブロードバンド通信技術のデモストレーションを行っている。CBBの衛星通信とは異なり、こちらは米国内の地表に複数のアンテナを設置し、これらのアンテナと航空機に設置されたアンテナを無線通信で結び、ブロードバンド通信に必要な帯域を確保しようとしている。利用者は機内のアンテナから802.11b/gによる無線LANインターネット接続を利用できるだけでなく、通常の携帯電話による通話も可能になる。しかも、これらのサービスが低コストで実現できるというのがAirCell Broadband Systemの特徴だ。米国内線を就航している格安航空会社の米JetBlue Airwaysが同社のサービスを採用し、米連邦通信委員会(FCC: Federal Communications Commission)から無線周波数帯使用の許可を得ており、早期のサービスインが期待されている。



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