フリースケール、小中学生を対象に「夏休み電子工作教室」を開催

フリースケール・セミコンダクタ・ジャパンは14日、小中学生を対象にした「夏休み電子工作教室」を開催した。会場となった秋葉原ダイビルには20名の小中学生とその父母らが集まり、同社の組み込み向けマイクロコントローラ68HC08を使ったマイコン制御扇風機の製作に取り組んだ。

会場で配布されたマイコン制御扇風機キット。同社の組み込みマイコン68HC08が使用されている。この扇風機は、フリースケールが九十九電機と共同で今年4月に行った(7月に選考会開催)電子工作キット製作コンテストの入賞作品でもある

完成した扇風機。回転速度の可変や、風速のゆらぎなどをマイコンで制御できる

将来は女性技術者が増えるかも!? 意外に女子の参加が多かった電子工作教室

電子工作というと以前は比較的ポピュラーな趣味で、電子ブロックやマイキットといった電子工作玩具がデパートなどで普通に売られていた。小学生の高学年ともなれば、秋葉原で電子部品を買い集めてラジオや何かを作ってみたりしたものだ。だが、現在では秋葉原の電子パーツショップで小学生を見かけることはほとんどない。電子工作関係の雑誌もことこごく休刊となり、電子工作を目にすること自体、いまの小学生は少ないのではないかと思う。

そのような中で開催された夏休み電子工作教室だが、事前に募集があった定員はすぐにうまってしまったようだ。教室にはフリースケールから大勢の社員がアドバイザーとして参加。配布されたマイコン扇風機キットの製作を子供たちに熱心に教えていた。

マイコン基板はほぼ完成済みの状態で、子供たちが半田付けするのはブザーと電池ケースのみである。また、68HC08にはプログラムが書き込み済みだが、扇風機完成後は、用意されたノートPC上の開発ツールを使ってプログラムのパラメータを変え、自身で68HC08にプログラムを書き込んで動作の変化を調べるという少し高度な講習も行われた。

裏側はこんな感じ。基板上の主要部品は取り付けられており、電池ケースとブザーのみ半田付けで完成。どちらかといえば紙を使った本体や羽を作る方が難しそうだ

なお、安全の配慮から、半田付け時にはマスクと防護メガネを着用。子供たちが、はんだごてで火傷する危険もあり、アドバイザーにはかなり多くの人員をあてていた。ちなみに、鉛フリー半田は融点が高かったり、流れ性が悪いため半田付けが難しく、今回は鉛入りの半田を使用。この点についても事前に保護者の了解を取ったそうだ。筆者らの時代とは違い、電子工作するのも何かと難しいご時世なのである。

やや驚いたのは女の子の参加が意外に多かったこと。電子工作に興味を持つ女の子が増えているのだろうか。将来は女性の技術者が増えるのかも?

半田付け時にはマスクと防護メガネを着用。意外に女の子の参加が多いのに驚かされた

フリースケールから大勢のエンジニアが参加し、子供たちのサポートにあたった

未来の日本人技術者を育てたい - フリースケールの試み

フリースケール・セミコンダクタ・ジャパン代表取締役社長 高橋恒雄氏

会場ではフリースケール・セミコンダクタ・ジャパン代表取締役社長の高橋恒雄氏から、この電子工作教室の狙いや今後の展開について説明があった。

ご存じのようにフリースケールは、モトローラの半導体部門を元とする企業だ(現在はモトローラとの資本関係も解消され、独立した企業となっている)。外資系ではあるが、高橋氏は日本の技術の質の低下を危惧しているようだ。中国やインドなど新興国に投資が集まり、テクノロジーの世界で日本の地位が低下することに危機感を抱いているという。

「手を動かし、物を作ることが技術者への第一歩」という高橋氏。そこで、同社は今年に入り、九十九電機と共同でアマチュア向けのマイコンボードを発売、4月には電子工作キット製作コンテストを開催するなど、未来の技術者を育成する試みを始めている。今回の電子工作教室も、高橋氏が進める未来の技術者育成策の一環というわけである。

「評価ボードなどの売り上げは微々たるもの」と認める高橋氏だが、今後も個人ユーザー向けの活動は続けていくという。19日には九十九電機と共同で、マイコン評価ボードの販売キャンペーンを開始。また、24日には仙台で今回と同様の電子工作教室の開催が予定されている。将来は中国をはじめとするアジアパシフィック諸国と連携して、電子工作キットコンテストの輪を広げていきたいとのことだ。

ちなみに、今年第4四半期には大人向けの電子工作キットとしてMC68000ベースの製品を予定しているそうだ。シャープのX68000シリーズに夢中になった筆者としては、聞き逃せない情報である。具体的な製品は未定のようだが、大人向けキットにもぜひ期待したい。

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