日本はブランド力の強化が急務--インターブランド 企業価値ランキング分析

    陸川賢  [2006/08/02]

    インターブランド ジャパンは、同社がBusinessWeek誌と共同で発表した「2006年 Interbrand "The Best Global Brand Ranking"」の分析説明会を開いた。

    このランキングは、企業収益の3分の1以上を自国以外からあげている全世界の企業を対象とした企業価値ランキングで、毎回トップ100を選出している。

    評価方法は、事業収益の「財務分析」と顧客の購買要因になる市場認知度などの「ブランド役割分析」、そして将来的な成長やリスクに対する「ブランド力分析」の3点を基本として算出され、経済アナリストが計算する財務数値以外の無形価値を分析・評価している点が特長。無形価値とは、知的財産権や顧客データベースなど数字に表れない資産を指している。

    Googleは前年比46%の伸び - 課題はブランド価値の効率化

    ランキングトップはCoca-Cola。ついでMicrosoft、IBMが続く。日本企業はトヨタ自動車の7位が最高

    今回発表されたランキング全体を見るとGoogle(24位)やeBay(47位)といったネット系企業の躍進が目立っている。特にGoogleは企業価値が前年比46%増で、同社エグゼクティブコンサルタントの田中英富氏によると「調査開始以来初の伸び率」だったという。

    インターブランド ジャパン エグゼクティブコンサルタントの田中英富氏

    しかしながら、ネット系企業の特長として、前記の無形価値とブランド価値が結びついていない点があげられるといい、田中氏は、この点について「今後はソニーのようなブランド力の効率化が課題になるだろう」とコメント。戦略次第ではさらなる飛躍も期待できる状況だ、との見方を示した。

    ブランド価値比較図。ブランド価値は、ブランドによって得られる将来の利益を金額換算したもので、無形価値の源泉となる

    日本はまだまだ自動車と家電の国

    同社副社長兼COOの豊隅優氏は、ランキングのトップ100には、7位のトヨタを始め日本企業8社がランクインしているが、全世界国籍別GDP構成比(2004年度)を見ると、日本はアメリカの29%に次ぐ2位で12%を占めているのに対し、トップ100にランクインしたブランド構成比が、アメリカの51%(GDP構成比の1.8倍)に対して8%(同0.7倍)と圧倒的に少なく、グローバルブランドの構築が遅れていると指摘。アジアランキングで3位につけた韓国企業のサムスンを例に挙げ、「積極的にブランド価値をマネージメントする企業が、結果として株式価値を高め、国としての存在感や競争力をも高めることができる」と述べた。

    GDP構成比。GDP構成比を見ると、日本はアメリカの29%に次ぐ2位で12%だが、ランクインしたブランドの数はアメリカの51%に対して8%と圧倒的に少ない

    サムスンはブランド価値のマネージメントを本格化させた結果、企業価値が6年で3倍になり、ソニー、パナソニックを抑え、アジアランキングで3位に入った

    今後は韓国・中国系企業が台頭 - 日本はブランド力強化を

    今後は、積極的なマネージメントを展開している韓国企業や中国企業がランクインしてくることが予測され、同社社長兼アジアパシフィックCEOのテレンス・オリバー氏は、「元々の力を考えれば日本企業がもっとランキングに入っていてもおかしくない。日本企業がいかにブランド力を強化できるかが課題となる」と述べるとともに、「ブランドは会社の大事なエッセンスであり、(アメリカで人気の)トヨタ自動車のレクサスのように、常にグローバルブランドの戦略を考える必要が出てくる」との見解を述べた。

    インターブランド ジャパン社長兼アジアパシフィックCEOのテレンス・オリバー氏

    関連記事

    関連サイト

    新着記事

    特設サイトの情報

      人気記事

      一覧

        イチオシ記事

        新着記事

        特別企画

        マイナビニュースマガジン