日本オラクル、サービス事業強化、単なる保守から付加価値提供モデルへ

大川淳  [2006/07/31]

日本オラクルは、サービス事業をいっそう拡大することを図り、新たな成長戦略を発表した。製品、システムの保守に留まらない、より付加価値の高いサービス「Value Added Services」提供を積極化するとともに、サービスをグローバル化、サポート要員などのサービス資源を「国境」を超えて活用していくほか、同社製品のサポート工程を集約・統合、顧客側への対応窓口を一本化する。また、これらの施策実行の本体となるカスタマーサービス統括本部の陣容を強化、現行約330人の要員を53人増員する。

細谷哲史常務カスタマーサービス統括本部長

荻矢隆雄オンデマンド&acs本部長

同社のサービス事業は現在、ソフトウェア製品自体のサポートが絶対額として最も大きかった(同社の2006会計年度で383億円)。これに、基幹業務システムなどに対し、障害の予防的保守など、高付加価値サービスを提供するサービスと、オラクル製品の入ったシステムの安定稼動を、ユーザーの要望に応じて供給する「Oracle On Demand」を加えたのが「Value Added Services」だ。

「Oracle On Demand」は、システムを監視し、何らかの障害の予兆があれば発見、ユーザー側に知らせ、助言したり、運用管理を担い、障害が起きれば、復旧に即時対応する。このサービスは従来、基本的に「E-Business Suite」「Collabolation Suite」などを対象としてきたが、近年、米オラクルが買収により「Siebel」、「PeopleSoft」、「JD Edwards」 などの製品を取得しているため、今後は、これらにも対応していく意向であるとともに、ソフトのサービス化を進める。同社カスタマーサービス統括本部の荻矢隆雄オンデマンド&ACS本部は「ソフトのライセンスを購入、インストールしてもらう構造だけでなく、サービスとしての形態にシフトする。オラクルがソフトベンダーであることは変わらないが、ソフトを提供するかたちがOn Demandに変化していく」としている。

サービスのグローバル化では、日本オラクルと、米オラクルの世界各地の拠点のサービス・サポート資源を包括的に位置づけ、日本語による対応など、国内の特性に応じたサービスは維持したままで、海外の資源を国内に適応させたり、日本の資源を海外で活用するなど最適配分し、全体として、サービス・サポート能力が不足しないように配慮するという。M&Aで増えた新たな製品群に対してのサービス・サポート態勢を確保するためでもある。

サポート工程の集約・統合では、ユーザーの利便性を向上させることを目指す。米オラクルが、米PeopleSoft、米Siebel Systemsを買収したことから、国内では日本オラクルインフォメーションシステムズ(旧日本ピープルソフト)が日本シーベルと合併、国内のサポートは、同社と日本オラクルの2系統が存在しているため、サポートの流れをグループ内で統合、ユーザー側からは、どの製品を導入しても、1ヶ所の窓口ですむようにする。組織的には、日本オラクルのカスタマーサービス統括本部が、製品サポート/アドバンスト・サービスの部署、日本オラクルインフォメーションシステムズを統括する。

米オラクルでは、売上高に占めるサポートの比率は59%だが、日本オラクルは47%。同社は国内でもこれをさらに伸長させることを目指す。同社の細谷哲史常務カスタマーサービス統括本部長は「付加価値を追加したサービスはビジネスとしてさらに成長する余地がある」と述べた。

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