マイクロソフトの「3つの挑戦」と7つの重点分野とは?

小山安博  [2006/07/13]

7月からの新会計年度の開始にともない、マイクロソフトは就任して丸1年となるダレン・ヒューストン社長が新年度の経営方針として、「3つの挑戦」と7つの重点分野を示した。ヒューストン社長就任で開始された経営戦略の「PLAN-J」は順調で、今後もさらにこれを推進していく考えだ。

ダレン・ヒューストン代表執行役社長

PLAN-Jは、(1)日本への投資の拡大 (2)企業・コンシューマ双方における技術革新の促進 (3)政府、教育機関、産業界とのより深く明確なパートナーシップ――という3点を推進していくマイクロソフトの3カ年計画で、米Microsoftのビル・ゲイツ会長やスティーブ・バルマーCEOも、米国に次ぐ世界2位の市場である日本への取り組み強化を推進しているそうだ。

マイクロソフトは、日本法人設立後、今年で20周年。その中でさらにビジネスを拡大するための施策がPLAN-J

マイクロソフトでは東芝やNEC、富士通とのクロスライセンスを結んで関係を強化しているが、それ以外にも日立製作所やヒューレット・パッカード、ユニシス、沖電気工業、ERP大手のOBCや会計システムのTKCなどともシステム構築で協力。地方自治体では岡山市と中小企業向けポータルの開発や、名産の桃のオンライン販売のシステム構築を行うなど順調にパートナーとの取り組みを続けている。

また、シャープ、ウィルコムとともに開発した国内初のWindows Mobile搭載のモバイルフォン「W-ZERO3」が「期待以上の成果」(ヒューストン社長)を挙げている。その第2弾「W-ZERO3[es]」に続いてNTTドコモもWindows Mobile搭載のスマートフォンを発表しており、ヒューストン社長が「就任後3年以内にWindows Mobile搭載のスマートフォンが出てくればいい」と期待していたものが、1年で3モデルがリリースされることになり、その順調さをアピールする。W-ZERO3で協力したシャープとは、「さらにグローバルな関係を構築したい」(同)としており、新たな展開にも期待する。

日本市場における同社製品はコンシューマ向けとエンタープライズ向けが半々の割合とのことで、エンタープライズ向けでは中小企業から大手企業、金融などのミッションクリティカルな分野まで進出。地方銀行や「最高速の電車をWindowsで走らせている鉄道会社もある」(同)という交通分野、Windows CEベースのカラオケ機やコンビニエンスストアのレジスターなど、「マイクロソフトはあらゆる日本のITの側面で活躍している」(同)と順調さを強調。さらなる拡大を図る意向を示した。

現時点でPLAN-Jは、「パートナーや大口顧客、ITプロフェッショナルなどの利害関係者の満足度は、世界で日本がもっとも向上した。過去最高の向上を示した」(同)ことで、ヒューストン社長はPLAN-Jが成功している点を強調した。

そうした中でヒューストン社長は「3つの挑戦」として、(1)デジタルインクルージョンの進展 (2)ITプロフェッショナルの問題 (3)人材育成――の3点を挙げる。デジタルデバイド解消に向けた取り組みであるデジタルインクルージョンでは、世界経済の10%をITが担っているにもかかわらず日本では2%程度に過ぎない、日本の学生に比べて米国の学生は2倍の割合でPCを利用している、電子政府の利用度が米国やカナダで5割に達しているのに対して日本は1%程度、といった例を挙げ、ITを使ったデジタルライフスタイルの進展を狙っていく。

ヒューストン社長は「ITプロフェッショナルはあまり幸せではないようだ」と、仕事量の割に報われないといわれているIT技術者の問題にも触れる。ITプロフェッショナルが会社ではあまり大きな決定権がなく、十分な報酬を受けていないと感じているとして、この分野に対しても何らかの取り組みを進めたい考え。

3点目としては、人材不足の問題を解決するため、コンピュータサイエンス分野の若い学生などに対するトレーニングの努力を重ねていく意向も示す。

重点分野としては7点。ITを使ったデジタルライフスタイルの進展、生産性の向上を目指すとともに、「これ以上のものはない」(同)という次世代デスクトップ環境「Windows Vista」の提供、政府や交通系、金融系などのレガシーシステムの移行、ITプロフェッショナルとデベロッパーの満足度向上、業務システム「Microsoft Dynamics」製品の投入、Liveプラットフォームの推進、企業市民活動の拡大といった分野を示す。

マイクロソフトはこの会計年度で、WindowsからOffice、Exchange Server、SharePoint Server、Forefront、Windows Live、OneCareなど、これまでにないほど大きな新製品群の投入を控えている。国内では高崎、高松、金沢に新オフィスを開設、新卒を含む400名以上の採用を行うなど、ビジネス拡大に向けた取り組みをさらに強化していく考えだ。

今後登場してくる新製品

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