本能が欲しくなる - W-ZERO3[es]

    小山安博  [2006/07/05]

    既報の通りウィルコムは、携帯電話タイプのダイヤルキーとQWERTYキーボードを搭載した「W-ZERO3[es]」を27日から発売する。W-ZERO3より小型軽量になり、2つのキーボードで使い勝手も高めた。価格はオープンプライスだが、同社直販サイトでの価格はW-SIMありの端末が29,800円(年間契約あり)など。

    W-ZERO3[es]

    PDAライクなPHS端末として大きな人気を博したW-ZERO3のバリエーションモデルとなるesは、従来通りのスライド式のQWERTYキーボードに加え、携帯と同じダイヤルキーも搭載、片手でも操作しやすくなった。本体サイズは約56(W)×135(H)×21(D)mmとスリム化、ダイヤルキーと合わせて携帯ライクなデザインになった。同社の八剱洋一郎社長は「音声系の商品(PHSの音声通話端末)とデータ系の商品(カード型端末)の間をつなぐ製品」と話すほか、従来のW-ZERO3がPCユーザーと親和性の高いPDAライクなものだったのに対し、今回のesは携帯ユーザーにも訴求できる製品としている。

    本体カラーは2色

    esでは、3つの開発コンセプトがあったと八剱社長。「extra smart」「edit speedily」「extended specifications」の3つで、それぞれの頭文字を取って「es」と名付けられたという。またes(ido)は、精神分析学のフロイト理論において本能的な衝動として位置づけられることから、八剱社長は「本能的に欲しくなるもの」が今回のesだとした。

    W-ZERO3[es]の位置付け。PCと携帯、そして音声通話端末とデータ専用端末の間を埋める、としている

    esはW-ZERO3に携帯の良さを追加した

    携帯のダイヤルキーとW-ZERO3のQWERTYキーボードを搭載

    機能としては、日本語変換にATOKを採用、推測変換もサポートし、片手でも快適な入力環境も実現している。ATOKはこれまで、esに搭載されているWindows Mobile 5.0には対応していなかったが、esにあわせてサポートする。

    主な仕様

    液晶には世界で初めてという2.8型VGA モバイルASV液晶を搭載。タッチパネル付きなので画面に触れるだけで操作可能だ。内蔵カメラは接写モードに対応、バーコードリーダーも備え、QRコードの読み取りが可能になった。

    ブラウザはInternet ExplorerとOpera Browserを搭載。いずれもFlashにも対応しているので、多くのPC向けサイトをそのまま閲覧できる。従来のOutlookに加え、オリジナルのW-ZERO3メールを搭載、片手操作性に配慮した操作性、自動振り分け、eml形式での保存・読み込みが可能。

    従来通りUSBケーブル、miniSD経由で、さまざまなファイルをPCと共有できる。PCのOutlookと同期、Word/Excelの編集・閲覧なども可能。新たにUSBホスト機能を備えるので、外付けキーボードや外部メモリ、デジタルカメラの接続などが可能なほか、Bluetoothユニットやワンセグチューナーも開発中で、これを利用した無線通信やワンセグ放送の視聴が可能になっている。

    拡張性も向上

    ユーザーからの要望が高かったというesを接続できるプロジェクタアダプタ「PitchDUO」(写真右)。八剱社長のプレゼンテーションもこれを利用していた

    これはminiSDカードスロットに挿入する無線LANカード

    USBホスト機能を利用したBluetoothモジュール。無線LANカードとあわせて開発中で発売日などは未定とのことだ


    esはW-ZERO3では搭載していた無線LANを非搭載だが、miniSDカードスロットに挿入する無線LANモジュールも開発中、NTTコミュニケーションズのHotSpotサービスを利用する「ウィルコム無線LANオプション」にも対応する。

    ワンセグチューナー。本体は背面に取り付けられる。アンテナは回転して収納できる

    W-ZERO3用のコンテンツは、基本的にはesでそのまま扱える。電子書籍やゲーム、待受画面などが利用できる。そのほか、W-ZERO3と比べると、W-SIMの通信中の着信にも対応。通話時間、待受時間も延長した。

    ゲームなどのコンテンツもさらに拡充していく

    発売前にはイベントも開催。事前に端末に触れられる

    発表会では、W-ZERO3発表時と同様、ウィルコム、シャープ、マイクロソフトの3社が顔をそろえた。シャープの松本雅史副社長は、esが「携帯ユーザー向けに手軽さ、一つ上の楽しさ、便利さを加えたもの」であり、「ニュースタイルのSHケータイ」と表現。マイクロソフトのダレン・ヒューストン社長はW-ZERO3発売以来、国内のWindows Mobile市場が「期待以上のスピードで成長している」と話し、W-ZERO3関連を戦略的な事業として、OS以外にもプロモーションや開発サポートなどで積極的に投資していきたい考えを示した。

    マイクロソフトがW-ZERO3を重視している証しとして登場したのが、2年後の現役引退を発表したばかりのビル・ゲイツ米Microsoft会長。今回はビデオメッセージでの登場だが、ヒューストン社長によれば、今回のような他社の製品発表でゲイツ会長が登場するのは「きわめて珍しい」という。

    左からシャープの松本副社長、ウィルコム八剱社長、マイクロソフト ダレン・ヒューストン社長

    メッセージを寄せた米Microsoftビル・ゲイツ会長

    esはPHS通信モジュールのW-SIM対応製品で、すでにW-ZERO3などの対応製品が出回り、W-SIMがある程度市場に出回っていることから、当初からW-SIMありとW-SIMなしの製品を販売。価格は最も安いW-SIMあり・年間契約ありの場合は29,800円(ウィルコムストア価格、以下同)、年間契約なしでは33,800円、W-SIMなしでは36,800円となっている。

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