日本テレコムとボーダフォン、企業ソリューション事業統合--FMC実現目指す

 

既報の通り、日本テレコムとボーダフォンは、企業向けのソリューション事業を統合化することを明らかにした。

日本テレコムにモバイル事業本部を7月1日付けで新設、ボーダフォンの法人営業部門と一体化したビジネスを展開する。ソフトバンクがボーダフォンを買収したことにより、同じソフトバンクグループに属することになった両者が、FMC(Fixed Mobile Convergence: 固定通信・移動体通信の融合)を実現させるため、機動的に活動できる態勢を整えることが目的だ。赤穗義雄 日本テレコム執行役員 音声事業副本部長がモバイル事業本部長を兼任する。

従来、日本テレコムは法人向け市場に対してICT(Information and Communication Technology)ソリューションサービスを前面に掲げて事業を推進しているが、今後はボーダフォンの法人向け事業部門の主要機能を新設されたモバイル事業本部に統合、ボーダフォンのモバイルソリューションと日本テレコムの法人向けソリューションを集約し、「固定・移動体通信に係わる音声・データ通信など、多様なビジネスニーズにスピーディーに対応する」(日本テレコム)意向だ。

企業向けのICT事業について、日本テレコムでは2005年12月に、次世代ICTプラットフォームサービス構想「IRIS」を策定、ネットワーク技術とITを融合させたICTプラットフォームサービス「ULTINA On Demand Platform」を発表していた。この構想では、オンデマンドでITシステムを利用できるようにすること、さらにネットワーク制御の自動化、そしてFMC環境の提供を柱としていた。ここではIMS(IP Multimedia Subsystem)、Mobile IP、WiMAXなどを要素技術としていたが、今後はボーダフォンの携帯電話網や技術が加わることになり、有力な武器となる。

ソフトバンクグループはボーダフォンを傘下におさめたことにより、念願のFMC実現への第一歩を踏み出したわけだが、まずは企業向けサービスの供給体制を整備する。この領域はICTの最激戦区の一つとなることが予想される。NTTドコモは、NTTコミュニケーションズなどNTTグループ各社との連携を進める可能性が大きい。KDDIは、自社グループに固定電話・携帯電話双方をもっており、企業向けだけでなく、一般消費者向けにも音楽配信サービスLISMOを展開、これもFMCと位置づけられており先行している。

一方、日本テレコムは苦戦を続けてきたが、2005年度下期には2年ぶりに営業黒字に転換した。同社の関係者は「日本テレコムは中継通信を核とする事業構造から、ソリューションカンパニーへと変革しようとしているところであり、ボーダフォンのソリューションを組み合わせ、シナジー効果を図る絶好の時期」としている。

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