運転中の携帯電話は本当に危険! 飲酒運転に匹敵、ハンズフリーでも同リスク

    湯木進悟  [2006/06/30]

    ユタ大学

    米ユタ大学(University of Utah)は、自動車の運転中に携帯電話を使用することからもたらされる危険度などを調査した最新レポート「A Comparison of the Cell Phone Driver and the Drunk Driver」の発表を行った。学術雑誌の「Human Factors: The Journal of the Human Factors and Ergonomics Society」2006年夏号に、詳細な調査データが掲載されている。

    同レポートは、米連邦航空局(FAA: Federal Aviation Administration)およびUtah Highway Patrolの協力を得て、運転免許を所持する米国内の22~34歳の男女40名を対象に実施した調査に基づくとされる。各調査対象者は、GE-ISIM製のドライビングシミュレータ「PatrolSim」を利用して、15分間のドライブを体験。通常運転・携帯電話を片手に持って通話しながら運転・携帯電話のハンズフリー通話を利用しながら運転・血中アルコール値が0.08の飲酒運転という、異なる4種類の状況で、断続的にブレーキを踏みつつ前方を走る車への反応速度などの測定が行われたようだ。

    調査結果によれば、運転中に携帯電話を片手に持って通話した場合や、ハンズフリー通話を利用した場合はいずれも、通常運転時と比較して、ブレーキペダルを踏む反応速度が9%低下、一定の車間距離を保つ能力が24%低下、急ブレーキで減速後に法定速度まで加速する時間が19%遅延するなどの状況が、平均的に観察されたという。シミュレーション調査ではあるものの、ドライブ中に前方を走る車に衝突してしまい、交通事故が発生したケースも3件報告されている。

    一方、0.08の血中アルコール値で飲酒運転を行った場合、通常運転時と比較して、より車間距離を狭く取る傾向が見られ、ブレーキペダルを踏み込む力が23%増加する状況などが、平均的に観察されたという。しかしながら、ブレーキをかける時間や、急ブレーキ減速後に再び法定速度へ加速するまでの時間に大幅な遅延は見られず、シミュレーション調査中に交通事故を起こしたドライバーは1人もいなかったようだ。

    GE-ISIM製のドライビングシミュレータ「PatrolSim」を利用して調査が行われた

    今回の研究プロジェクトを率いた同大学心理学教授のDavid Strayer氏は「もしも飲酒運転を行うならば、自分自身と周囲の人々を危険にさらしてしまうのと同じくらい、運転中に携帯電話を使用することは危険である。双方の危険度は非常に似通っていると結論付けられる」とコメントした。

    また、調査データを基にして、携帯電話を片手に持って通話しながら運転することは一部の法律で禁じられているのに、ハンズフリー通話ならば安全と認められている現状への疑問も提起されている。

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