Apache Geronimo 1.1登場 - 管理コンソールなど大幅強化

    後藤大地  [2006/06/29]

    Geronimo 1.1 登場

    The Apache Geronimo Projectは26日(米国時間)、Apache Geronimoの最新版となるApache Geronimo Version 1.1(以降 Geronimo 1.1)を公開した。GeronimoはJavaで開発されたJava EEアプリケーションサーバ。アプリケーションサーバの特徴を備えるとともに、広範囲におよぶプラットフォームとしても稼働できるという高い柔軟性を備える。

    Geronimo 1.1はLinux、Mac OS X、Windowsプラットフォームにおける動作試験がおこなわれており、実行環境としてはJava 1.5を選択するとよいとされている。CORBAとともに動作させる場合は、少なくともSun Java 1.4.2_08以降の実行環境を選択する必要がある。

    Geronimo 1.1における主な変更点は次のとおり。

    • ConfigIDをより包括的なモジュールストラクチャに変更するなど、デプロイプランの変更
    • ConfigIdをModuleIdに変更したことにともない、ツールやコマンドの更新、スキーマをgeronimo-config-1.1.xsdからgeronimo-module-1.1.xsdへの変更
    • 管理コンソールにメモリユーティライズグラフィック、スレッドプール、リモートHTTPd設定ウィザード、プラグインなど新機能追加
    • config-storeを廃止し、ホットデプロイが期待されるすべてのアプリケーションはgeronimo_home/repositoryディレクトリへの保持に変更
    • Enhanced SMTPのサポートの追加
    • キーストア設定の追加
    • WebコンテナとしてApache TomcatかまたはJettyを選択できる新しいリデュースフットプリントディストリビュションの提供
    • Geronimoアプリケーション、サーバ機能、インテグレイトプロダクトなどをGeronimoプラグインとして配布可能。プラグインを活用することで簡易インストール、依存ファイルの自動配置、サーバを再起動することなくプラグインの有効化が可能に
    • Geronimoディレクトリストラクチャへアーカイブやディレクトリをコピーしなくともデプロイ可能なインプレイスデプロイ機能のサポート

    Geronimo 1.1は安定性、移植性、新しい機能の追加を実現するためにいくつものストラクチャ変更が実施されている。なお、Geronimo 1.0においてJ2EE 1.4認証を取得していたが、Geronimo 1.1においても引続き同様の互換性が提供されている。

    アプリケーションサーバの行方

    Java EEをターゲットとしたFLOSSベースのアプリケーションサーバプロダクトが出揃ってきた。いくつものプロダクトが出てきているが、特に知名度の点から整理すれば次のプロダクトを代表的なものとしてあげることができる。括弧の中に明記したのは特に強く後援している企業や団体だ。

    • JBoss Application Server(JBoss、Red Hat)
    • Project Glassfish(Sun Microsystems)
    • Apache Gerinimo(IBM)
    • JOnAS(ObjectWeb Consortium)

    当然これらに限らず、FLOSSを組み合わせてプラットフォームを提供している企業や団体はほかにも多い。商用のアプリケーションサーバも歴史が古く、こちらにもいくつものプロダクトがある。代表的なものは次の通り。

    • Oracle Application Server/Fusion Middleware
    • IBM WebSphere
    • BEA WebLogic/AquaLogic
    • Sun Java System Application Server

    構成や特徴はそれぞれ異なるが、どのアプリケーションサーバも似た開発の方向性を備えている。機能の拡充や統合による包括プラットフォームとしての成長と、Java EEへの対応である。FLOSS アプリケーションサーバはほかのFLOSSプロダクトを統合することでこれを実現し、商用アプリケーションサーバは企業買収によってポートフォリオを獲得することで実現している。特に商用アプリケーションサーバはSOAをキーワードに各種機能の統合に余念がない。

    そしてもうひとつ注目するべきは、エンタープライズアプリケーションサーバの開発は、たとえそれがFLOSSであろうとも、後援する企業や団体によって実際にビジネス展開を前提として開発がおこなわれていることだ。GlassfishはSun MicrosystemsがOSS化したものであり、GerinimoはIBMから多くのコードが提供されている。JBossプロダクトはもちろんJBoss、Red Hatがビジネス展開するためのプロダクトであり、JOnASの背後にはObjectWeb Consortiumに参加する各種企業や団体があるだろう。

    ビジネスとして展開できる基盤が背後にある以上、これらプロダクトがどれかひとつに収束していくということは、近い将来ではまずないだろう。Java EEアプリケーションサーバの市場は多様性を保ちながら進化することになる。

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