6月1日より東京の「INAX銀座ショールーム」9階ギャラリーにて企画展「小さな骨の動物園」が行われている。動物の骨格標本にクローズアップしたこの展覧会は、大阪会場(2005年12月~2006年2月)と名古屋会場(2006年3月~5月)に続いての開催。開場時間は10時~18時で、開催期間は8月19日まで。日祝日と8月12日~17日は休みとなる。入場無料。
「小さな骨の動物園」では哺乳類、鳥類、爬虫類、魚類など、約170種類もの動物の骨が展示されており、これらはすべて実物。小動物の全身骨格から、頭部しか置けないような巨大なものまで、じつに多彩な種類の骨が集められており、理科的な知識がなくとも見ごたえは十分。
展示された骨に見入っていると、ネコやスズメのような身近な動物でも、骨そのものを見る機会はほとんどないことに気づかされる。我々はむしろ恐竜の骨のほうが見慣れているのかもしれない。普段食卓に並ぶ魚の骨でも、このような形でまとめて見るとモンスターのような奇怪さやユーモラスな面があり、新鮮な発見がある。こうした新機軸の生物展示としては、実物の人体標本の展示で多くの来場者を集めた「人体の不思議展」が記憶に新しいが、今回のものはそれに比べれば不気味さは控えめで、オブジェのような美しさや、工学的な機能性を感じられる展示物が多い印象。グロテスクなものが苦手な人でも鑑賞しやすい展示内容となっている。
これらの標本の選定や提供には、大阪市立自然史博物館と同博物館の標本作成グループ「なにわホネホネ団」や、NPOが設立した沖縄の学校・珊瑚舎スコーレで「骨部」を主宰し、骨に関する著作を手がける盛口満氏などが協力している。昨今では理科の授業で解剖を行わない学校も多いが、こうした解剖や標本作りは子供たちにも人気とのこと。とくになにわホネホネ団は2004年春の「大阪自然史フェスティバル」において約80団体のうちアンケートで2位となるほどの盛況ぶりで、現在も小中学生を中心に60人ほどで活動しているという。
残念ながら既に定員に達したため参加者の募集は終了しているが、8月4日には同会場の8階セミナールームにおいて盛口満氏の講演会「骨の学校」も開催される。沖縄在住の盛口氏がザックに沢山の骨を詰めて会場にやって来るとのこと。
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イメージ以上に大ぶりなチンパンジーの骨格標本。展示されたものでは最も人間に近い骨格だが、両腕はかなり長い。 |
シカ科とウシ科の頭骨。シカの頭部は剥製にして客間などに飾られることがあるが、骨となってもなかなかの見ごたえ。 |
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キリンの頭骨。ツノのついた右側が頭頂部。断面はダンボール状になっているが、これは脳を保護するためとされている。 |
巨大なカバの頭骨。奥に並んだサルの仲間の頭骨と比べると、異様な大きさが実感できる。陸上で生活する哺乳類ではゾウに次ぐサイズ。 |
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並べて置かれたトラ(奥)とネコ(手前)の頭骨。身近なネコの骨を見る機会はあまりないが、骨を見比べるとトラと同じ仲間ということがよくわかる。 |
ハイヒールのようにも見えるこちらの骨はなんと豚足。豚らしくない(?)繊細な美しさを備えている。 |
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アリクイの頭骨。アリクイの歯は退化してしまっており、鳥のくちばしのようになっているのがわかる。 |
哺乳類の頸椎比較。左側からゾウ、キリン、トラの順。ほとんどの哺乳類の頸椎は7つだが、首の長さによってこれだけ違う。 |
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哺乳類のオスの生殖器にある陰茎骨と呼ばれる骨。奥からアライグマ、ツキノワグマ、イヌ。ネズミやサルの仲間などがこれを有するが、例外的にヒトには存在しない。 |
ズラリと並んだ海鳥の骨格標本。ミズナギドリ、アホウドリの仲間が集められている。滑空するための翼の骨は、幾何学的な直線とカーブで構成されている。 |
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同一個体から取られたペンギンの剥製(左)と骨格標本(右)。着ぐるみと中に入る人のような関係(?)。剥製と骨格を比べると、ペンギンの皮下脂肪の分厚さがよくわかる。 |
熱帯に住むサイチョウの頭骨。空を飛ぶ鳥の骨は軽く丈夫に作られており、このような中空構造となっているものが多い。 |
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会場入り口に展示された標本から。ハリセンボン、キンメダイといった魚のほかに、キノボリトカゲなども。 |
魚類の頭骨。なかなかの強面が揃っているが、マダイ、マサバ、サンマ、ブリ、タチウオ、カマス、シイラなど、じつは我々が食べている魚ばかり。 |
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誰かに似ている? ヒトヅラハリセンボンの頭骨(手前)。奥のテンジクダツはビリベルジンという色素を持っており、そのせいで骨に青みがある。 |
グロテスクなエイリアンのようにも見えるコバンザメの頭部。小判型の吸盤部分もこのようにしっかり骨として残っている。 |
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