科学技術振興機構、サイエンスポータルサイト設立--研究者から子どもまで

  [2006/06/06]

科学技術振興機構(JST)は6日、科学技術に関するポータルサイト「Science Portal」の立ち上げを発表した。7日の午前0時に公開する予定で、研究者・技術者だけでなく、広く一般の人にも科学に関する情報を発信していく。また、JSTは同日、日本の科学技術情報を海外に向けて発信する総合案内サイト「Science Links Japan」の立ち上げもあわせて発表。7日午前9時より公開する予定だ。

Science Portalのトップ画面

研究者から子どもまで、広い層に科学情報を提供する「Science Portal」

Science Portalでは、科学技術の動向を伝えるニュースが毎日3・4本程度掲載されるほか、目玉企画として「脳のメカニズムに迫る」と題したインタビュー連載が開始される。東北大学加齢医学研究所の川島隆太教授のインタビューが、全12回に渡って掲載される予定だ。報道機関向けに公開された情報では、第1回目のタイトルは「川島教授プロフィール」、第2回目のタイトルは「川島流子育て」と予告された。インタビューでは、研究の本質と展望といった研究テーマにまつわる話題だけでなく、研究者の素顔に迫るような回も用意されているという。

Science Portalでは動画配信にも力を入れており、川島教授のインタビューもVideo Podcastingとして配信される。第1回目のインタビューは約11分間。各回約5~10分程度の動画が提供される。JSTではインタビューイの人選として、「研究成果の社会的還元を重視している研究者」などを中心に選抜するとしている。

インタビュー動画の様子。この質問のように、インタビューイの素顔に迫る回も

また、立ち上げにあわせ、ノーベル物理学賞受賞者のJerome Isaac Friedman氏のスペシャルインタビューが掲載される。第1回のタイトルは「幼少期の思い出と、物理学との出会い」とのことで、こちらでもFriedman氏の研究だけでなく素顔に迫る記事となっているそうだ。このスペシャルインタビューも、音声英語・日本語字幕でVideo Podcastingされる予定だ。

立ち上げの目玉企画としてはもう1つ、「からくり人形とロボット」という特集も用意されている。サブタイトルは「江戸時代からの古き技術と現代のロボット研究」。第1回目は「ロボットとからくり人形の根底に繋がるもの」と題されている。JSTでは、「一般の方へ科学技術をよく知ってもらおうという視点から、最新技術の動向を紹介する特集」としている。

Science Portalのナビゲーション

Science Portalには、このようなニュース・読み物などのコンテンツだけでなく、研究者向けの情報も掲載される。文部科学省や独立行政法人など18の官庁・研究機関のプレスリリース、研究開発成果が随時掲載される。大学については、まだ対象に入っていないが、今後、加えていきたい考えだ。大学は、プレスリリースとして情報を公開している大学と、そうではない大学など、広報活動がそれぞれ異なっている。JSTでは、「プレスリリースを出していない大学でも、Science Portalを通じて情報を発信してもらいたい」としている。

そのほか、大学・研究機関の求人公募情報や、研究支援制度の最新情報、学会・協会の大会・シンポジウムといったイベント情報、論文・特許・研究成果の紹介を行う。

海外に向けて日本の科学技術情報を発信する「Science Links Japan」

JSTは、「Science Portalの本来の目的から考えると、日本の科学技術情報へ簡単にアクセスできるという仕組みを、海外向けにも広げなければならない」とし、その第1弾として「Science Links Japanを立ち上げた」のだという。Science Links Japanは日本の科学技術情報源へのリンクをカテゴリ別に分類した、リンク集・案内サイトといった位置付け。英語で入手できる情報源を中心に、約550のURLを掲載する。

Science Links Japanのトップ画面

科学への好奇心を満足させるサイトを目指す - 沖村理事長

両サイトの立ち上げ発表にあわせて、JSTは都内で記者会見を開き、JSTの沖村憲樹理事長、日本学術会議の黒川清会長、川島教授が出席した。

科学技術振興機構理事長の沖村憲樹氏

日本学術会議会長の黒川清氏

東北大学加齢医学研究所教授の川島隆太氏

沖村理事長は「1日1回、日本の科学者・学生、そして一般の方がアクセスしてみたくなるサイト。そして、訪れてくれた方の知的興味を満足させるサイトにしたい」と抱負を語る。「この2つの意図はまだ十二分に果たせているとは言えない」と続けながらも、「読者の皆様に意見を聞きながら完成を目指したい」とする。

今回、「Science Portal」「Science Links Japan」を立ち上げるにあたって設置された、科学技術ポータルサイト委員会の委員長でもある黒川会長は、「海外のニュースを日本語に翻訳して、研究者向けに情報を提供する---このようなサイトではいけない」と語る。研究者であるならば、海外のニュースであっても原文のまま情報を収集してしまうからだ。「誰に向けて、どのように情報を発信するのかが重要」であるため、「意見をどんどん寄せて、皆で育ててほしい」と語る。「官庁サイトにある報道発表のタイトルがそのままついたリンクではなく、10ワードくらいでクリックしたくなるように加工する」、こういった工夫の積み重ねによって「よりユーザーフレンドリーに、カスタマーオリエンテッドにしていきたい」と意気込みを語る。

川島教授は「私たちは研究活動を通して社会貢献をしているが、広い層に研究内容を理解してもらうためには分かりやすく言わないといけない。しかし、そうすると、学術的な深みがなくなってしまうというジレンマがある」と語る。「社会的な活動としてドリルやゲームなどを作っていると、『あいつは何も研究してないじゃないか』と苦言を呈されることもある(笑)。こういう(Science Portalという)場があることでジレンマが解消され、広く一般の方に研究内容・活動を知ってもらえるのではないか」と期待を寄せる。また、一般の人だけでなく「私たち研究者の役に立つサイトであってほしい」のだという。「学生がインターネットをする時に、初めにヤフーやGoogleへアクセスするのではなく、まずScience Portalにきてもらえたら」。

インタビューでは、研究内容だけでなく研究者の素顔も紹介される。川島教授は「個人を前面に出すことが目的ではないので恥ずかしい。研究者はあくまでも研究で勝負しないと」と語る。しかし、その上で「子供たちもサイトを訪れることを考えると、同じ目線に立って語りかけることも大事。そして、科学のことをたくさん知ってほしい」と訴える。

インターネットの普及、さらにインターネットを利用した情報入手の一般化から、科学技術に興味を持つ広い層に情報を提供するため、今回立ち上がるScience Portal。沖村理事長は「Science PortalはJSTの広報サイトではない。オール・ジャパンの情報を提供することに徹する」と意気込みを語る。黒川会長は「子供たちもターゲットにしている。若者を引きつけるような夢のあるサイトに」と期待を寄せた。



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