NECと米Microsoftが関係を強化、クロスライセンスやHPCなどで

NECと米Microsoftは、企業ネットワーク分野で協力してソリューションを展開するなど、クロスライセンス契約を含む協業の強化を図ることで合意に達したと発表した。両社は1979年からPC分野で、93年からはサーバ分野での協業を続けてきているが、今回さらに、企業ネットワークやHPC(ハイパフォーマンスコンピューティング)分野などでの協業を進め、各分野でのシェア拡大を狙う意向だ。

NECの矢野薫社長(左)と米MicrosoftのSteve Ballmer CEO

これまでの両社の協業では、NECはPC分野で国内シェア1位、Expressサーバも10年間シェア1位を維持する成功を収めた。今回の協業では、「ITとネットワークの融合」が進む企業ネットワーク分野でソリューションの開発を共同で行う。

NECとMicrosotが協業する分野は幅広い

昨今のネットワーク環境は、従来のデータのやりとりだけでなく、音声やビデオなども扱われ「マルチメディアの時代になり、コンピュータネットワークではなく"マルチメディアネットワーク"になった」(NEC矢野薫・代表取締役執行役員社長)ため、新たな製品・ソリューションが必要であると両社。

それに対してNECは、「UNIVERGE」ソリューションとして、SIPサーバやゲートウェイ、ルータ、スイッチ、ファイアウォールなどで構成されるハードウェア群と、IP電話ソフトやテレビ会議システム、メールシステム、ポータルなどのソフトウェア群を組み合わせて提供している。すべてNEC独自の製品で構成されるソリューションで、すでに日米欧などで販売を開始しており、世界シェア7~8%を獲得しているが、国内はともかく、海外でのソフトウェアの認知度が低い点が問題だった。

Microsoftは企業向けのソフトウェアとしてOfficeアプリケーションを抱えるほか、「Live Communications Server」の開発を進めており、Officeアプリケーションと連携する企業ネットワークの構築を目指している。ただ、Microsoftは企業ネットワーク分野では「まだ弱い」(NEC小林一彦執行役員専務)ため、NECのハードウェア群の上にMicrosoftのソフトウェア群を導入し、両社の強みを生かしたソリューションを開発する。

NEC製品で構成されたUNIVERGEソリューションは主に日米で販売されている。これに加えて、今回の協業により両社の製品群で新たに構成されたソリューションを、これまでNECが弱かった欧州やアジア太平洋地域で販売することで、グローバルなニーズに応える。その結果、グローバルシェアは「早期に10%を超える」(矢野社長)ことが目標だ。さらに、今後はMicrosoftのソフトウェアだけでなく、NECのソフトウェア群も選べるようにしていきたい考えだ。

ハイエンドサーバ分野では、NECとユニシスの協業によるEM64Tサーバ(64スレッド)をさらに拡張し、さらにIntel、Microsoftとともに128スレッドのIPF(Itanium Processor Family)サーバを開発する。現在のところ、Windowsは「128スレッドでの稼働が実現していない」(小林専務)が、これを実運用に耐えるレベルまで開発を進める。またNECは、障害発生時にも止まらずに運用が続けられる「フォルトトレラント(FT)サーバー」について、米Stratus Technologiesと提携しているが、これについてもMicrosoftの技術協力を受け、さらに販売活動も協力する。

ハイエンドサーバ、HPC分野での協業の詳細

HPC分野では、NECが開発しているファイルシステム「GFS(Global File System)」を、MicrosoftのWindows Compute Cluster Server(WCCS)に統合、NFS比で5倍というGFSの高いI/O性能などを加えることでシステム性能を大幅に向上させる。GFSは「来年初めぐらいに出る」(同)予定だ。そのほか、WCCS向けのサードパーティ製ソフトの検証、グローバルな拡販でも協力する。

さらに特許に関するクロスライセンスを締結。ITとネットワークの融合にかかわる分野でお互いの持つ多くの特許を相互に利用可能にし、両社の開発協力をさらに緊密化させる狙いもある。

また、国内限定の協業では、NECが開発する特定業種向けソフトウェアパッケージの.NET対応を進め、まずは自治体向けの人事・経理関係のパッケージを.NET対応にして提供する。

コンシューマ向けには、メディアセンターPC(Media Center Edition)向けに国内独自仕様を盛り込む。具体的には、これまでアナログテレビのみの対応だったMCEに対し、地上/BS/110度CSデジタルのサポートを追加するほか、高画質なテレビの実現、番組表のラテ欄表示(新聞などのテレビ欄と同じく、縦軸が時間、横軸がチャンネルという番組表示。MCE標準ではこれが逆)、MCE標準のメディアオンラインにBIGLOBEの動画・音楽配信を追加する、といった日本向けの機能を、協力して追加していく。次期OSの「Windows Vista」向けとされているが、小林専務は「Vistaよりも早く、間もなく出てくる」と話し、Windows XP Media Center Editionでの搭載の可能性を示唆した。

メディアセンターPC向けの共同開発の内容

コンシューマ向けには、PCからポータブルメディアプレイヤーまで、幅広く協力。XBOX 360についてはDRAMをNECが供給

米MicrosoftのSteve Ballmer CEOは、NECが「最も広くコラボレーションできる企業」とし、両社の協力関係は不可欠であるとの認識を示す。マイクロソフト(日本法人)のダレン・ヒューストン代表執行役社長も、今回の協業は「とっかかりでしかない。企業向けのデジタルワークスタイル、コンシューマ向けのデジタルライフスタイルを実現するためのスタートだ」とし、今後さらに関係を深めていく意向を示した。

NECの小林和彦専務(左)とマイクロソフトのダレン・ヒューストン社長



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