Nokia、SafariベースのS60ブラウザエンジンをオープンソース化

    末岡洋子  [2006/05/24]

    フィンランドのNokiaは24日、同社の携帯端末用OSのインタフェース技術「S60 Platform」について、Webブラウザ部分のソースコードを公開することを発表した。携帯端末メーカーや通信事業者は、同ブラウザをカスタマイズして提供できるようになる。

    同社はS60の最新版「S60 3rd Edition」より、Webブラウザとして、米Apple ComputerのWebブラウザ「Safari」が利用しているコア技術「WebCore」と、スクリプトフレームワーク「JavaScriptCore」を採用している(Safariは、KDEのレンダリングエンジン「Konqueror」をベースとしている)。Nokiaは、Safariのフレームワーク「Webkit」をS60に移植しており、今回この「S60 Webkit」をオープンソース化する。S60 Webkitには、メモリマネージャ、マウスポインタ、テキスト検索、ダイナミックHTMLなどのコンポーネントが含まれている。なお、AppleはすでにWebkitのコードを公開しており、Webkit Open Source Projectが立ち上がっている。S60 WebkitはBSDライセンス下で公開され、Webkit Open Source Projectのサイトからダウンロード可能となる。

    3Gとともにインターネット対応の携帯端末が普及するにつれ、Webブラウザへのニーズが高まっている。だが、現時点ではさまざまな技術があり、開発者はそれぞれの仕様に合うコンテンツを作成しなければならない。Nokiaは、S60のWebブラウザのエンジン部分をオープンソースとして公開することで、同技術がモバイルブラウザの標準となることを狙う。同社はこれにより、モバイルブラウザ分野の分断化を防ぐほか、Webコンテンツ開発者の作業を容易にし、移植しやすくなることなどをメリットに挙げている。

    S60向けWebブラウザの最大の特徴は、PCの場合と同じようにオリジナル画面を表示できる点。従来の携帯電話向けブラウザはテキスト表示が中心となるが、S60のものは全体画面を表示し、画面を選択して拡大表示しながらナビゲートするという手法をとる。このため、視覚効果に優れ、PCと同じような感覚でのブラウジングか可能となる。また、Ajax技術を採用し、ダイナミックHTML、スクリプティング言語もサポートしている。

    同Webブラウザを搭載した携帯電話は、NokiaのESeries(E60、E61、E70)、NSeries(N71、N73、N80、N91、N92)の各機種。Nokiaは、WebブラウザではOperaなども採用している。

    S60は、スマートフォンで最大のシェアを誇るSymbian OS向けのインタフェース技術で、Nokia製端末を中心にSymbian OSでは最もよく利用されている。この分野では米MicrosoftやオープンソースのLinuxなどと競合しており、スマートフォンが普及するにつれ、覇権争いは激しくなっている。

    同社はこの発表を、英スコットランド・エジンバラで開催中の「The 15th International World Wide Web Conference」にて行った。

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