Dell、ハイエンドサーバでついにAMD製プロセッサ採用へ

    Junya Suzuki  [2006/05/19]

    AMDとIntel……2大巨頭が絶妙なパワーバランスで君臨するPC向けプロセッサ業界に、1つの大きな変化が起きようとしている。米Dellは5月18日(現地時間)、同社会計年度で2007年第1四半期(5月5日締め)の決算報告を行ったが、その中で今年2006年末までにハイエンドサーバ製品の一部でAMD製のOpteronプロセッサを採用していく計画を発表した。同社は世界最大のPCメーカーであると同時に、PC向けプロセッサにはIntel製品以外を採用しないという方針を頑なに守っていた数少ないメーカーの1つとして知られている。この発表を受けAMDの株価は14%以上の急上昇を見せた。最高峰がついに動いたことによる激震は、業界各方面を騒がせている。

    Dellの今回の決算報告では、売上こそ前年同期比で6%アップの142億1,600万ドルだったものの、純利益は同18%減少の7億6,200万ドルとやや減少傾向を見せており、必ずしも順風満帆とはいえない状況だ。こうした中、ハイエンドサーバでOpteron採用にふみ切ったのはライバルとの競争力を高めるための苦渋の決断の1つだったとみられる。この発表を受け、同社の株価は業績とは逆に原稿執筆時点で4~6%の上昇を見せている。同社の計画では、サーバ分野ではまずIntelのWoodcrest(Merom/Conroeと同じIntel Coreアーキテクチャを採用した新世代のデュアルコアプロセッサ)を採用した同社第9世代にあたるサーバ製品の出荷を計画している。同時に、今年末までにハイエンドのマルチプロセッサ製品でAMDのOpteronを搭載した新型サーバを出荷する計画も立てている。

    だがOpteronを採用するのは現時点でハイエンドを中心としたサーバ製品の一部ラインに留まり、それ以外のカテゴリでは引き続きIntel製品のみを使い続けていくようだ。同社ではまず、ノートPC向けCore 2 Duoプロセッサ(開発コード名:Merom)の登場する秋に同プロセッサを採用したノートPC製品をリリース。次に今年末にデスクトップPCやワークステーションでデスクトップPC向けCore 2 Duoプロセッサ(開発コード名:Conroe)を搭載した製品をリリースする。またDellは今年3月、ゲーマーなどのハイエンド志向のPCユーザー向けの製品開発を行う米Alienwareの買収を発表し、その取り込みを5月初旬に完了させている。同社では、この買収で得たリソースをデスクトップPCやノートPCでの製品開発に投入し、これらヘビーユーザーのコンシューマ分野への取り込みを狙う。

    今回の決定を受け、米AMDはすぐに歓迎のコメントを掲載したリリースを発表している。その中で同社コマーシャルビジネス部門のシニアバイスプレジデントであるMarty Seyer氏は「われわれは、DellならびにDellの顧客がAMD64の世界へとやってきたことを歓迎する。Dellは顧客志向の企業であり、顧客の要望に耳を傾けた結果、革新的なAMDプロセッサを選択するに至ったと考えている。PPW(Performance Per Watt:消費電力あたりのパフォーマンス)の世界でリードするAMDのソリューションをユーザーに届けるために、Dellと密接に協業できることを楽しみにしている」と述べている。

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