MVNO(Mobile Virtual Network Operator: 仮想移動体通信事業者)の日本通信は24日、金融機関、ネットショッピングを事業化している企業向けに、個人ユーザーと企業を専用線で結ぶ無線技術サービス「PWLL(Personal Wireless Leased Line)」を提供すると発表した。インターネットを経由しないことで、フィッシング詐欺やスパイウェア、不正アクセスなど、外部からの「攻撃」を遮断するサービス環境を構築できるという。これまでは、このような形式の専用線サービスは高コストで、なかなか導入が進まなかったが、同社は低廉化を実現、普及、拡大を図る。
「PWLL」は基本的に、専用のデータ通信カードをノートPCに装着するだけで、自動的にユーザーと企業をPHSや第3世代(3G)携帯電話などによる「パーソナル専用線」で接続する。ただし、このサービスでは、カードを認識し他のネットワークから「隔離」する機能を担うソフトのインストールが必要になるため、このサービスを利用している間はインターネットに接続することができない。PHSはウィルコムのネットワークを使用、3Gでは当初、KDDIの回線を使用する見通しだが、今後ボーダフォンなどと連携する可能性もあるという。
このサービスが運用されれば、たとえばユーザーが現行、銀行などが実行しているインターネットバンキングとまったく同様のサービスを、インターネットを使用しないで利用することが可能になる。同社では、すでに銀行、ネット証券などと交渉を進めているとのことだ。同社の三田聖二社長は「コンビニエンスストアのATMは銀行と専用線で結ばれている。このしくみは、それと同じこと」と指摘、インターネットと切り離すことが最高の安全確保であると強調する。
実際に個人宅と金融機関などとの間に専用線を設置すれば相当なコストがかかり、企業側は容易に導入できなかったが、同社は「無線であるため実際の工事は不要であり、回線を借り受けているMVNOであるため、回線の使用効率が高い。さらに、限られたアプリケーションしか使用しないことなどにより、従来の固定網専用線に比べ、コストを1/50~1/100程度にできた」(三田社長)としている。
デイトレーダーなどは、インターネットで企業情報を参照しながら証券会社とやり取りする例が多いが、このサービスの使用時にはインターネットに接続できないため、このような使い方はできない。しかし「デイトレーダーは、複数のパソコンを利用している層も少なくないといわれている」(同社 福田尚久取締役CFO)ことから、同社ではインターネットと切り離されることが、このサービス普及の障害にならないとみている。
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