マクセル、水とアルミで水素を生成する燃料電池 - アルミ20gでPCを4時間駆動

 

日立マクセルは24日、水とアルミニウムを水素の発生源とする固体高分子型燃料電池(PEFC)を開発したと発表した。従来の高圧ボンベや水素吸蔵合金を使ったタイプに比べ、小型化が可能で、コストも抑えられるのが特長という。同日開催された技術発表会では、開発した10W級燃料電池によるノートPCの動作デモも披露された。

10W級燃料電池の動作デモ。右のノートPCに電力を供給していた

小型の燃料電池というと、燃料にメタノールを使うダイレクトメタノール型(DMFC)が主流となりつつあるが、同社は今回、水素発生システムを備えた固体高分子型の燃料電池を開発した。同社が磁気テープで培ってきた「分散・塗布技術」により、室温で280mW/平方cmという、高い出力密度の膜電極接合体(MEA)を開発、同社DMFCに比べて、MEAの面積を1/5に小型化することが可能となった。またPEFCでは、DMFCで常に課題となるクロスオーバー現象のような問題もない。

固体高分子型(PEFC)とダイレクトメタノール型(DMFC)の動作原理

PEFCとDMFCの比較(同社比)。出力密度が向上したことで小型化が可能

燃料となる水素の発生には、水とアルミニウムの化学反応を利用する(水とアルミニウムが反応すると、水酸化アルミニウムと水素になる)。室蘭工業大学・渡辺正夫教授の研究に端を発するもので、水素発生量の向上という課題があったが、同社は独自にアルミニウムの微粒子化プロセス技術を開発、1gのアルミニウムから、理論限界に近い1.3リットルの水素を発生させることに成功した。

この燃料電池を利用して、同社は定格10Wのモバイル電源を開発した。燃料の補充はカートリッジの交換で行い、アルミニウム20gで、ノートPCを4~5時間駆動することが可能という。大きさは160×100×60mmとまだ少し大きめだが、リチウムイオンバッテリと同等以上のエネルギー密度を実現するという、小型化されたモジュールも現在、要素技術の開発中だ。将来的には、燃料にアルミニウムの廃材を利用することも検討されており、リサイクルとして有効なほか、コストを大幅に下げることも可能となる。

開発した10W級燃料電池。こちらはセパレートタイプで、左の箱に燃料カートリッジが入る

これは一体型。大きさは160×100×60mmで、重量は920g。出力は平均10W、最大20Wという

「小型(の燃料電池)がいろいろと騒がれているが、我々はむしろ中型、10~100Wクラスのもので何かないかと探っている」と同社執行役専務・CTOの谷口富蔵氏。実用化に向け、まずはマーケットやユーザーを探していく意向を示した。

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