映画「Dust to Glory」 - 1,600kmレースと4,200時間編集、どちらがタフか?

      [2006/04/24]

    7月下旬に公開予定の映画「Dust to Glory」(IFC Films配給)の試写会が開かれた。同映画は、メキシコのエンセナーダで開かれる世界最長のノンストップオフロードレース「Tecate SCORE Baja(バハ)1000」のドキュメンタリーだ。このレースは1967年より、毎年秋に行われている。舞台は、海岸あり、荒野あり、一般道ありの多様な地形を持つBaja(半島)。全長1,600km道のりを、砂塵にまみれながらただ走り抜け、ゴールを目指すというもの。

    映画「Dust to Glory」(C)2005 IFC Films, LLC All rights reserved.

    試写会には、デイナ・ブラウン監督、主演兼プロデューサーのマイク・マッコイ氏が舞台挨拶に訪れ、製作の様子などを語った。

    マイク・マッコイ氏(左)とデイナ・ブラウン監督(右)

    この映画は、レーサー、ピットスタッフ、連絡係りなど、レースを支える人々の物語が、同時平行に語られる構成となっている。そのため、複数の人を複数の場所で、同時に撮影する必要があったという。使用されたカメラは60台あまり。2台の撮影トラックは、レースの出場車としてエントリーした。

    砂、砂、砂の風景。砂塵に足をとられて、転倒し、完走できないものも多い(C)2005 IFC Films, LLC All rights reserved.

    自分の好きなルートを選ぶことも、場所によっては可能だという(C)2005 IFC Films, LLC All rights reserved.

    ヘリコプター、車内、バイクで走るレーサーからみた風景など撮影条件が異なるため、撮影フォーマットも統一されてはいない。「もちろん、編集のことを考えれば、フォーマットは統一されているに越したことはないよ」とブラウン監督は語る。「自分たちがほしい映像を吟味していったら、結果的に多様なフォーマットになったんだ。ヘリコプターには35mmフィルムがいいと思った。車内に持ち込むカメラには、大きなものは使えないから必然的にminiDVになったんだ。」

    ポストプロダクションの過程では、Adobe Systemsのバックアップを受けた。使用されたシステムは、「Adobe Premiere Pro」、「Adobe After Effects」と、CineFormのProspect HDリアルタイムマルチストリームエンジン「BOXX HD [pro] RTワークステーション」からなる。35mmフィルム、16mmフィルム、HD、DVなど異なる映像フォーマットを、いったん非圧縮10bitのHDフォーマットに変換し、編集するという方法がとられた。編集を終えてから、35mmフィルムとして書き出し、最終的には95分の作品となった。

    「撮影した素材は全部で250時間。編集には1日14時間、週7日のペースで、10カ月かかったよ。たった3日間の撮影なのにね」とブラウン監督。マッコイ氏は「そうだね。僕は1,600kmの過酷なレースを走り抜いたけど、その後の監督のレースもかなり過酷だったと思うよ」と応えた。

    映画は、7月下旬からシアターN渋谷ほか全国で公開される。

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