ドイツで非接触IC技術NFCを用いた初の商用サービスが開始

 

VodafoneがCeBIT 2006で展示していたリーダー

ドイツ・フランクフルト近郊のハーナウ市の公共交通機関Rhein-Main-Verkehrsverbund(RMV)は、自社路線バスにて近接無線通信規格Near Field Communication(NFC)を用いたチケットシステムの商用サービスを開始した。フィンランドのNokia、オランダのRoyal Philips Electronics、英Vodafoneのドイツ支社Vodafone D2と共同で展開する。これまでJR東日本の「Suica」などNFCと通信の互換性をもつサービスはあったが、NFC標準としては世界で初の商用サービスだという。

同サービスは、Philipsとソニーが共同開発し、2003年12月に国際標準規格(ISO/IEC 18092)に承認されたNFCを用いる。NFCは13.56MHzの無線周波数を利用し、約10cmの範囲で通信が可能。読み込み / 書き込みの双方向通信が可能で、チップを搭載した端末同士が通信でき、この点が現在のSuicaやモバイルSuicaなどとは異なる。現在非接触ICカードの国際標準としてはISO / IEC 14443 Type A、同Type B、同Type Cがあり、NFCはPhilipsが採用しているType Aとソニーが採用しているType Cを含む。

RMVのサービスでは、ユーザーは、Philips製NFCチップを搭載したカバーをつけた「Nokia 3220」を乗車・降車の際に読み取り機にかざすことで、運賃を支払う。毎月末に利用日時と区間、料金などの明細付きの請求書が送られてくるという仕組みだ。RMVでは今回の商用サービス開始に先立ち、2005年12月まで約10カ月のフィールド実験を実施しており、約160人が参加した。同社らによると、そのうちの90%が「利用を継続する価値がある」と肯定的な回答をしたという。

商用サービスでは、運賃支払いのほか、RMV特約店で利用できる割引サービス「RMV ErlebnisCard Hanau」も展開する。RMVが契約したレストランなど地元パートナー14店で、各種割引サービスを利用できるというものだ。

サービスを利用できる端末は、現時点ではNokia 3220のみで、オペレータはVodafoneのみ。ユーザーはVodafoneショップでNFCチップ搭載のNokia 3220を購入し、支払いアプリケーション、顧客カード機能アプリケーションの2つのアプリケーションをダウンロードして利用する。

Nokia 3220

NFCは将来性が期待されているが、チップを搭載した端末の不足や、適用分野がまだ不明確である点などの課題も指摘されている。ソニーとPhilipsはNokiaと共にNear Field Communication Forumを設立し、家電業界を含め幅広くNFCの可能性を探っており、ここでの成果が期待されている。



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