PCメーカーのLenovoと米Microsoftは4月17日(現地時間)、OSソフトウェアのライセンシングとPC販売に関する戦略的提携を発表した。Lenovoは今後、中国ならびに全世界で販売する同社製PCのすべての製品ラインにおいてMicrosoft Windowsをプリインストールして提供していく計画だという。両社によれば、この試みは世界初であり、Lenovoが今後1年間でMicorosftからライセンスされるソフトウェアの金額は12億ドルに上るという。提携の背景には、現在中国などの地域を中心に蔓延している海賊版ソフトウェア対策がある。
世界最大の工場の1つであると同時に、世界最大の消費者市場の1つとしても注目を集める中国だが、コピー品や海賊版が横行し、それが海外企業の同国進出における障害となっている。米Business Software Alliance(BSA)などが昨年2005年に発表したデータによれば、中国におけるコンピュータ・ソフトウェアの海賊版比率は9割を超えており、日米欧各国から是正を求める訴えを起こされている。Microsoftでも、Windowsなどの製品にオンライン認証で利用を制限したり、正規品を所持するユーザーに対して追加機能や付加サービスの提供を行うなどの対策を講じているが、なかなか成果に結びついていないのが現状だ。
今回のLenovoとMicrosoftの提携発表は、あらかじめ出荷するPCにOSなどのソフトウェアを組み込むことで、ユーザーに海賊版を使わせる余地を与えないようにする意図があるものと考えられる。中国の家電メーカーであるLenovo Groupは2004年末、米IBMからPC事業の買収を発表し、世界第3位のPCメーカーとなっている。本社は米国東海岸に置くものの、世界有数の中国企業として国を代表する存在だ。
中国の国家主席である胡錦涛氏の就任後初の公式米国訪問が4月18日(現地時間)に予定されているが、今回のLenovoの件は同氏訪米の際の手土産の1つだといえる。同氏は4日間の予定で訪米し、ジョージ・ブッシュ米大統領との会談、米ワシントン州レドモンドにあるMicrosoft本社の見学、エール大学での講演などを行うことになっている。経済紙の米Wall Street Journalによれば、同氏は訪米に際して米Boeingからの数十億ドル規模の航空機契約を約束しているという。Lenovoによる正規ソフトウェアのPCへのプリインストール販売契約もまた、米国を代表する企業に中国の市場としての魅力を伝えるアピールだといえるだろう。
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