Sun、Java Studio EnterpriseをOSS化 - NetBeans.orgへ

後藤大地  [2006/04/13]

もうずいぶん長い間、エンタープライズ市場において、プロプライエタリ製品をオープンソースソフトウェア(OSS)として公開する動きが活発だ。その1社であるSun Microsystemsが、また新しく「Sun Java Studio Enterprise」をOSS化した。同社は自社ポートフォリオのOSSを積極的に進め、シェアの獲得をはかっている。

Java Studio Enterprise、OSS化してNetBeans.orgへ

Sun Microsystemsは11日(米国時間)、エンタープライズ向けの開発環境である「Sun Java Studio Enterprise」の構成要素をOSS化して公開し、NetBeans.orgに提供する「Open Source Enterprise Development Tool Project」について発表した。

同プロジェクトにおいて同社は、Java Studio Enterpriseをベースにして開発した「NetBeans Enterprise Pack」を公開するとしている。NetBeans Enterprise PackはNetBeans 5.5 IDE上で動作するようになる見通し。

NetBeans Enterprise Packは以下のような機能を備えることになる。

  • 2-way UML - ソースコードと常に同期を取るUMLモデリング機能。複雑なエンタープライズシステムのリバースエンジニアリングやアーキテクチャに使用できる
  • 複雑なXMLを管理操作するためのビジュアルXMLエディタツール
  • SOA関連ツール

Java Studio Enterpriseはすでに無償で提供されていたが、OSS化されNetBeans.orgに提供されたことで、さらに導入の敷き居が下がったといえるだろう。

エンタープライズに押し寄せる新しいビジネス

エンタープライズシステムを取り巻くベンダのビジネス戦略は変わってきている。最近のニュースでもっとも特徴的なものは、4月10日に発表されたRed HatによるJBossの買収だろう。両社はOSSプロダクトをベースとしたエンタープライズシステムを提供するベンダの代表的位置づけにあり、そしてそのビジネスモデルに特徴があった。

エンタープライズシステムでは、プロダクトの販売やフルスタックプロダクト販売をビジネスベースとし、プロダクトに対してサービスを付加する形がとられることが多かった。これに対してRed HatやJBossは、自社プロダクトはOSSとして公開している。Red Hatはパッケージによる利便性、JBossはサービスの提供を収益のベースとした。

OSSを活用する方法は、うまくいった場合、圧倒的な速度で市場に広がっていく傾向にある。これに対抗するべく、そして自社でもその利点を活用するべく、HP、IBM、Oracle、Sun MicrosystemsなどいくつものエンタープライズベンダがOSSへの取り組みを進めている。HPはOSSを戦略的に推進しており、IBMにはOSSのApplication ServerであるWAS CEがある。EclipseやApache Software Foundationへのコントリビュートを続けるなどOSSへのコミットも厚い。OracleもADF FacesをApache MyFaces Projectへ寄贈したりと、やはりOSSへの厚い取り組みを続けている。

OSSプロジェクトをベースにして市場参入を狙う企業もある。OSSは既存のビジネスモデルを考えると、いわば劇薬でもあるため、ビジネスでどのように活用していくのか、いままさに劇薬を特効薬として扱う方法が模索されている。

Sunの戦略、NetBeans.orgへポートフォリオを集約

Sun Microsystemsもまた、OSSを強く推進している。エンタープライズ向けの自社OSであるSolarisをOpenSolarisとしてOSS化して公開したり、Java統合開発環境NetBeans IDEの提供とNetBeans.orgへの支援、Java System Application ServerのOSS化などを例として挙げることができるだろう。

OSS化こそ行っていないが、Java Studio EnterpriseやJava Studio Creator 2の無償提供などを行ってきた。そして今回のJava Studio EnterpriseのOSS化だ。

Sun Microsystemsはエンタープライズ開発環境ポートフォリオを、NetBeans.orgのもとへ集約しようとしているようにみえる。NetBeans IDEの最大の好敵手はEclipse IDEであり、Eclipse IDEはすでに広い層に受け入れられている。しかし、特にOSSベースのエンタープライズ開発に関しては複雑なライブラリ群と開発支援コンポーネントがあらかじめ導入されているNetBeans IDEにも分がある。Sun Microsystemsとしては、エンタープライズに関するポートフォリオをNetBeans.orgに集約し、エンタープライズシステム開発はNetBeans IDEという状況を確立しようと取り組んでいるといえるだろう。

現状、Java Studio Creator 2などOSS化されていないプロダクトがいくつかあるが、今後これらの動向によっては、NetBeans IDEの普及に大きな弾みがつくことになるだろう。

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