ViXS Systems、動画の圧縮・伸張を行うViXS XCode2121 / 2111を発表

ViXS Systems Japanは6日、カナダ大使館内で同社の新製品であるViXS XCode 2100シリーズの発表会を開催した。同社はカナダに本社を置くViXS Systemsの販売子会社という位置付けにあり、動画の圧縮・伸張を行うXCodeシリーズを販売する。今回発表されたXCode 2100シリーズはその最新製品にあたるもので、発表会では同社取締役社長兼本社のJapan Country Managerである東正次氏(Photo01)の他に本社のPresident兼CEOであるSally Daub氏(Photo02)も参加した。

Photo01:以前は某GPUチップベンダーの「顔」であった東氏。

Photo02:ViXS Systemsの共同創業者兼CEOであるSally J. Daub氏。前職はATIのVice President & General Counselのポジションにあった。

ViXS Systemsの社名そのものはそれほど有名という訳ではないが、同社のXCodeシリーズエンコーダは非常にメジャーである。まずXCode IIシリーズという4チャネルのアナログ入力エンコーダを市場に投入後、その低価格版であるXCode II L / E / N / NSという製品を投入。国内ではたとえばソニーのVAIOデスクトップにほぼ100%搭載されている。また、同じくソニーのロケーションフリーテレビにも搭載されているほか、アイ・オー・データ機器やピクセラ、カノープスといったメジャーなキャプチャカードベンダーに広く利用されている(Photo03)。

XCode II L/Sがデスクトップ用のデュアル/シングルチャネルエンコーダ、N/NSがノートブック用のデュアル/シングルチャネルエンコーダである。

このXCode IIシリーズの後継製品が今回発表されたXCode 2100シリーズである(Photo04)。従来の製品との大きな違いは対応するメディアソースで、ビットレートの大きなHDコンテンツにフル対応した製品である。XCode 2121はMPEG-2/4で提供されるHDコンテンツのストリームのトランスコード/トランスレートを可能にする(Photo05)。

Photo04:これはEvaluation Boardに搭載されたもの。

Photo05:インタフェースにPCIとPCI Expressの両方を搭載するのはちょっと珍しい。ピン/APIコンパチブルというのは、今後派生型を増やしていってもピン配置やAPIの互換性を維持する(現時点では2121と2111は完全コンパチ)ことで、ボード開発やソフト対応の手間を最小にする、という意味。

トランスコードとはフォーマット変換で、たとえばMPEG-2のコンテンツをMPEG-4にするとった処理で、一方トランスレートとはビットレートを変換する(19Mbpsのコンテンツを5.2Mbpsに変換する、など)である。これだけなら他社からも似た製品は出ているが、XCode 2100シリーズの特徴は

  • 画質を損なわずにビットレートを落とすことが出来る
  • 多種多様のフォーマットに対応し、また変換モードを各種用意している
  • 圧縮動作が高速

の3点である。

まず1点目は、大雑把に言えばビットレートを半分に落としても画質を損なわないといった点を大きな特徴とする。今回発表会には日立製作所も参加したのだが、同社が今月発表したWOOO HR9000シリーズ(ハイビジョンHDDレコーダー内蔵デジタルハイビジョン液晶/プラズマテレビ)には、まさにこのXCode 2100シリーズが搭載されている。同社のカタログの謳い文句は「ハイビジョン番組を倍撮り」で、250GBのHDDを搭載しているが表現は「500GB相当分」。このからくりは、記録の際にXCode 2100シリーズを使ってビットレートを半分に落としているからで、この結果500GBのHDDに(ビットレートを削減せずに)記録するのと同等の記録時間を実現できる、という話だ。会場にはHR9000シリーズの32inch液晶TVも持ち込まれ、HDコンテンツ非圧縮・XCode 2100シリーズで半分に圧縮、XCode 2100シリーズを使わずに半分のビットレートに圧縮、の3つを同時に再生してその画質の高さをアピールしていた。

2点目に関しては、たとえばMPEG-4では様々な機種向け(PSP向け、Video iPod向け、FOMA MPEG-4向け等)のフォーマットをサポートするほか、ミラーエンコード(同時に複数種類のフォーマットでエンコードを行う)、あるいはHDコンテンツでは避けて通れないコンテンツプロテクションに対応して複数の暗号化/復号化を内蔵するなどの機能が搭載されている。

3点目については、もともとXCode IIそのものが最大8倍速のエンコードが可能であったが、これを引き継ぐものになっている(Photo06)。実際会場ではMPEG-2のHDコンテンツをVideo iPod/PSP向けにその場でトランスコードして再生する、というデモを行ったほどだ(Photo07)。

30分のニュース番組をVideo iPod向けにエンコードして128MBのメモリカードに収まるサイズにするための所要時間はわずか3分。

Video iPodでの再生。D1からiPod Videoは最大10倍速だが、今回はHDコンテンツということで、ややエンコード速度は遅かった。

今回の発表は、日立製作所のWOOO HR9000シリーズの発表にあわせて日本でも本格的にHD向けソリューションの販売を始めるというお披露目の意味合いが強いものと言えるだろう。今はこうした製品はハイエンド向けという扱いに近く、各TVメーカーやPCメーカーなどはコストが掛かっても自前でこうしたソリューションを構築している。しかし、4月1日のワンセグ放送開始などでデジタル向けのニーズが高まってゆき、またPCにおいてもViiV/AMD Live!といったHD環境に向けた取り組みが始まりつつある今はビジネスチャンスであると捕らえているようだ。

ちなみにサンプル価格などは一切未発表。今回同社は日立製作所と共通ブランディングキャンペーンを打っている(同社の総合カタログの中にViXSのXcode HDのブランドロゴが入っているほどだ)が、こうした動きは家電メーカーとしては異例のもの。おそらくは、その分価格はかなり下げた状態で納入されていると思われる(日立製作所の関係者によれば、HDDを500GB分搭載するのと比べた場合、はるかに安く上がっているとの事)。なので、今後他のメーカーが採用したからといって、同じようにブランドロゴが入るとは限らず、従って採用されているかどうか外からは見分けがつきにくい。勿論PC向けのキャプチャカードなどに関しては外から見れば判るが、こちらはコンテンツプロテクションの絡みでそもそもHDに関しては停滞状態。とはいえ「PC向けHDに関してはMicrosoftと共同で作業しており、近い将来には何らかの進展があると信じている」(Sally Daub氏)との事だった。

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