マイクロソフト、OrigamiことUltra-Mobile PCを国内発表

    石川ひさよし  [2006/04/04]

    マイクロソフトは、「Ultra-Mobile PC(開発コード名: Origami)」に関する国内発表会を開催した。OrigamiはCeBIT 2006にて公開されたもので、通常のWindows OSが動くタッチスクリーン入力式小型端末と、無線LANを用いた高速インターネットアクセスを元に、よりカジュアルなPC端末を提案するものである。世界的に見て、特に小型モバイルPCのニーズが高い日本での発表とあって、注目を集める発表会となった。

    米Microsoftのビル・ミッチェル氏

    まず、Ultra-Mobile PCの概要について、米MicrosoftのWindows モバイルプラットフォーム部門担当、コーポレートバイスプレジデント(副社長)であるビル・ミッチェル氏がスピーチを行った。

    Ultra-Mobile PCのポジショニング

    アプリケーションの幅が広がると予想する同氏

    同氏によると、最初のUltra-Mobile PCは、Windows XP Tablet PC Edition 2005が動くPC寄りの小型端末で、Pocket PCと、タブレットPC・ノートブックPCとの中間にポジショニングされている。ただ、同氏は将来的に携帯電話と同じくらい使いやすいデバイスを目指すとしている。パートナーとしては、日本国内でまず名乗りを上げたPBJを紹介。同氏はパートナーシップOEM・ISVと協力してUltra-Mobile PCは第一歩を踏み出すとしている。

    また、既にモバイルPCの普及率が高い日本であるが、どのようにUltra-Mobile PCをアピールしていくかについても言及があった。国内におけるUltra-Mobile PCの展開は、教育市場を含めて展開していくと同氏。エンターテインメント性が強調された海外発表とくらべてコンシューマ色が薄れた印象だが、小型・軽量であることと、フルWindows機、ネットワーク接続性などにより、地理情報、メッセージング、Eメール、ブラウジングなどアプリケーションの幅が広がると予想し、「非常にエキサイティングだと思う」とのことだった。世界のモバイルエレクトロニクスのリーダーである日本で、様々な新しい使い方を開拓していきたいと意気込む。

    SmartCaddieを掲げる高橋正敏氏

    予約受付も開始されるSmartCaddie

    SmartCaddieをもつビル氏

    SmartCaddieの実物

    日本国内でUltra-Mobile PCを取り扱うPBJから代表取締役の高橋正敏氏も招待され、スピーチを行った。PBJのUltra-Mobile PCは製品名が「SmartCaddie」。タッチパッド式の7インチワイドVGA液晶にCPUはVIA C7-M ULV 1.0GHz、ハードディスクは40GB、メモリは512MBといった仕様。そのほか無線LAN、Bluetooth、USB×2などのインタフェースを搭載する。サイズは228(W)×146(H)×25.1(D)mmとなる。4月4日より予約受付を開始し、出荷開始予定は4月14日。価格は99,800円。主にコンシューマ向けとビジネス向けを想定しており、コンシューマ向けには大手量販店・販売店を窓口に販売する予定とされる。

    Ultra-Mobile PCを紹介する飯島圭一氏

    Ultra-Mobile PCのガイドライン

    Ultra-Mobile PCの機能について解説を行ったのはマイクロソフト Windows 本部 ビジネス Windows 製品部シニアプロダクトマネージャーである飯島圭一氏。ハードウェアガイドラインとしては、主なところで重さ0.9kg以下、スクリーンサイズは7インチ、タッチパネルを標準サポート、無線LAN、Bluetoothなどを搭載とある。しかし、これはあくまでもガイドラインであり、スペックはメーカーに自由選択の余地があるという。基本的な概念として小型・軽量でどこにでも持ち運べること、ペンとタッチによる操作性、そしてこれまで以上に求めやすい価格の3点が挙げられている。

    Ultra-Mobile PCのインタフェース

    スクロールバーなどもタッチ操作用に幅が調節できる

    そして、いくつか実際にデモンストレーションも行われた。ソフトウェア面では、ビル氏も少しだけ触れたが、同社はUltra-Mobile PC用に10インチユーザーインタフェース(UI)を開発し、これを標準搭載した。飯島氏は、Ultra-Mobile PC用のソフトウェアツール群「タッチパック」を紹介。これは非常に直観的な操作ができるよう設計されたものとされる。グラフィカルなインタフェースでユーザーがやりたいことをひとまとめにカテゴライズしたものであり、もちろんユーザーによるカスタマイズも可能と紹介された。

    仮想キーボードをタッチして入力する「ダイヤルキーボード」

    手書き認識入力「インク機能」もサポートされる

    また、タッチ操作を意識したユーティリティとして、指で画面上の仮想キーボードをタッチして入力する「ダイヤルキーボード」を紹介。透明度なども調節でき、軽快に入力できる様子を実演した。もちろん従来のTablet PCから受け継いだ手書き認識入力「インク機能」もサポートされる。

    「数字パズル」タッチと文字認識エンジンを利用したゲーム

    Windows Media Playerの新しいスキン

    Ultra-Mobile PCを教育用として立命館小学校が活用

    早期賛同パートナーとして教育分野各社を紹介

    さて、同氏は日本でのUltra-Mobile PCの展開にもふれ、「ラーニング分野」「特定分野」「先進的なコンシューマ分野」の3分野を軸に展開するとした。このうち特定分野というのはこれまでタブレットPCで培ってきたものを継続する形、先進的なコンシューマ分野もタブレットPCの際と同様のものがある。そしてラーニング分野。教室でタブレットPCを使う用途から、その延長線として家庭に持ち帰って使うUltra-Mobile PCを提案するとのことで、4月より立命館小学校に導入されることが発表された。

    漢字の書き順などもチェックできるという

    立命館小学校の副校長である陰山英男氏

    この立命館小学校での活用方法を紹介したのは同校の副校長である陰山英男氏。陰山メソッドで知られる同氏は、「電脳陰山メソッド」を紹介。徹底した反復学習にUltra-Mobile PCが高い効率を発揮すると紹介した。

    効率よく反復学習できるという電脳陰山メソッド

    その効果を紹介した

    全体的にみて、日本国内ではまず教育分野が重点とのことで、コンシューマ色の薄い発表会となったが、国内ではタブレットPCを積極的に活用するユーザーも増えている。その点をふまえた上で、小型化とともに低価格に抑えたのがUltra-Mobile PCと飯島氏は強調した。PBJのSmartCaddieを皮切りに新しいデジタルエンターテインメント的使い方が提案されると面白いだろう。

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