ムーミンと一緒に安全なネット生活を - エフ・セキュアが個人向けに参入

    小山安博  [2006/03/30]

    フィンランドのセキュリティベンダーF-Secureの日本法人である日本エフ・セキュアは、個人向けのセキュリティ対策製品「F-Secureインターネットセキュリティ2006」を投入、コンシューマ市場に参入する。フィンランド生まれの人気キャラクター・ムーミンを採用したかわいらしいデザインながら、統合セキュリティ対策製品として高度な機能を備えた。

    ムーミンキャラクターを使ったF-Secureインターネットセキュリティ2006

    販売はベクターなどからのダウンロード販売をメインとし、当初は店頭での販売は行わないが、通販でパッケージも販売する。価格は1ユーザパッケージが9,660円、同ダウンロード版は5,775円となっている。4月17日から発売を開始する。

    新製品は、ウイルス対策、スパイウェア対策、パーソナルファイアウォール、侵入検知、アプリケーション制御、スパムメール対策を提供する総合的なセキュリティ対策ソフト。機能は豊富なものの設定が容易で簡単に使えることが特徴とされる。

    ウイルス対策の設定画面

    より詳細な設定も可能

    レベルの切り替えで簡単に設定することもできる

    スキャン画面の結果

    F-Secureは、海外では企業向けだけでなく個人向けにも製品を販売しており、売上では企業向けと同等レベルになっている。日本エフ・セキュアは、F-Secure内のLinux向け製品を開発するなど、これまでは企業向け製品のみで売上を拡大してきたが、今回海外で販売されている個人向け製品をローカライズ、日本市場向けに新機能を追加したうえで、キャラクターにムーミンを採用して販売する。

    F-Secureのワールドワイドでの売上は、企業向けと個人/ISP向けがほぼ半々。ISP向けは、個人向けのものと製品としては同一

    日本エフ・セキュアは企業向けのみ。Linux向け製品が多いが、これは国内で開発している

    日本の製品別売上。SSH製品はすでに収束しており、今後は個人向け製品の高い伸びを見込む

    国内の顧客満足度も高い

    ウイルス対策としては、マクロ、スクリプトウイルスなどの検知に優れた高速で軽快な「Libra」、Win32ウイルスの検出精度が高く、露Kaspersky Labのエンジン「AVP」、自社開発で未知ウイルスのヒューリスティックスキャンに強い「Orion」と3つのウイルス対策エンジンを搭載。さらにスパイウェア対策ソフトとして定評のあるスウェーデンLavasoftの「Ad-aware」のエンジンをベースにF-Secureが開発した「Draco」を備え、強力なウイルス・スパイウェア対策を実現している。

    他社と同様、24時間365日体制でウイルスに対処しており、フィンランドと米サンノゼにある研究所でウイルス情報の収集と解析、ウイルス定義ファイルの更新などを行っている。定義ファイルの更新頻度と速度も売りの1つで、昨年1月の定義ファイル更新数は40回以上と、他のトレンドマイクロやシマンテック、マカフィーと比べても多い。昨年上半期に発生した主要な12種類への平均の対応時間(定義ファイルのリリース時間)は2時間45分で、これも他の3社と比べて2倍以上高速だったそうだ。

    1カ月の定義ファイル更新数。1日1~2回のペースで更新している

    こちらは対応時間。大手3社と比べても速い

    目玉の機能としてrootkit対策も導入。同社が開発するrootkit対策ソフト「BlackLight」を搭載しており、システム内に潜むrootkitを検知して駆除することができる。rootkitは、ソニーBMGの音楽CDコピー防止技術などで話題になったマルウェアの一種で、OSからは確認できない形でシステムに隠れてインストールされるため、通常のウイルス対策ソフトでは検出できないことがある。新製品ではBlackLightの技術を投入することでこれに対応した。

    渡邊宏社長

    スパム対策機能では、もちろん日本語のスパムメールにも対応しており、スパム送信サーバのリストを提供するRBLなどもサポートしている。初心者も対象に容易な操作性を目指しつつ、上級者も満足できるように詳細な設定を自分で行うことも可能にした。

    同社では3年間で100万ライセンス、シェア10%を獲得することを目指す。渡邊社長は、2008年にはセキュリティ市場が500億円規模になると見ており、その時点で50億円の売上を目標としている。

    同社では、今回の新規参入にともない、ムーミンを使ったキャンペーンを実施。国内の公式サイトとタイアップするほか、国内でムーミンキャラクターを利用している80社のライセンシー企業との連携も検討しているそうだ。また、個人ユーザーが同製品を利用してそれを紹介した上で、それを見た人が製品を購入すると報酬を支払う成果報酬型のアフィリエイトプログラムも実施する。

    フィンランド生まれの人気キャラクターであるムーミンは、特に日本では人気が高く、これをキャラクターに採用することで、「使っていても面白くない」(日本エフ・セキュア渡邊宏社長)セキュリティ製品に親しみをもたせ、初心者や女性層への訴求を図る。

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