次世代アプリはブラウザとFlashで完結?-Flex 2.0 Beta 2/Flex-Ajax Bridge

    後藤大地  [2006/03/23]

    Adobe Flex 2.0 Beta 2

    Flex Builder

    Adobe Labsは21日(米国時間)、Flex 2.0の最新開発版であるAdobe Flex 2.0 Beta 2を公開した。Adobe Flex 2.0 Beta 2はWebアプリケーションを開発するためのリッチインターネットアプリケーションソリューション。ユーザインタフェースにFlash、サーバサイドのシステムにJavaを採用し、ユーザエクスペリエンスの向上、開発効率の向上などを狙う。

    Adobe Flex 2.0 Beta 2の主なコンポーネントは次のとおり。

    • Flex frameworkの最新版
    • Flex Builder 2.0
    • Flex Data Services 2.0 (旧Flex Enterprise Services 2.0)
    • Flex Charting 2.0
    • ActionScript 3.0
    • Flash Player 8.5

    Adobe Flex 2.0 Beta 2における主な変更点は次のとおり。

    • ActionScript 3.0 Developer Libraries、FlexUnit Testing Framework、Flex Ajax Bridge、Coldfusion/Flex Connectivityなどの新しいライブラリの追加
    • データバインディングに関する変更
    • イベントに関する変更
    • Flash Player セキュリティに関する変更
    • 各種機能拡張
    • 各種プラットフォームサポートの追加
    • 大量のバグの修正

    Adobe Flex 2.0はもともとMacromediaにおいて開発されていたシステムで、「Macromedia Flash Platform」構想の中核をなすもの。インターネットを利用するうえで欠かせないブラウザ、マルチプラットフォームで動作するFlash、同じくマルチプラットフォームで動作するJava、Eclipse IDEベースの開発環境で構成された、次世代プラットフォームと位置付けられている。

    Adobe Flex 2.0 Beta 2には開発環境からデプロイ、ランタイムまですべてのコンポーネントが用意されている。依然として開発段階であるが、2006年前半には正式版がリリース予定。

    Flex デモンストレーション

    Flex デモンストレーション

    Flex Builder

    AJAXも取り込むAdobe Flex-Ajax Bridge

    また、Adobe Labsは21日(米国時間)、次の2つのライブラリを発表。双方ともにオープンソースソフトウェアとして公開されている。

    • Adobe Flex-Ajax Bridge(FABridge)
    • Ajax Client for Flex Data Services

    FABridgeはJavaScriptとFlexのブリッジを実現するライブラリ。FABridgeを利用することでJavaScriptからFLash PlayerのAPIのコールや、Flexオブジェクトの生成やアクセスが可能になる。

    Ajax Client for Flex Data Servicesは、AJAXアプリケーションをFlex Data Services 2.0に接続するためのライブラリ。成果物はまだ公開されていないが、2006年内には公開されるとしている。

    AJAXは既存の技術を組み合わせてインタラクティブなWebアプリケーションを実現する場合に用いられる技術の総称。JavaScriptからFlexにアクセスする手段を提供することで、既存のシステムからのシームレスな移行や、JavaScriptも活用したいユーザの取り込みを狙ったものだと考えられる。

    AdobeとMacromedia、デファクトポートフォリオらがもたらす戦略

    Adobe Systemsは2005年、Macromediaを買収すると発表。買収総額は約34億ドル。同社は2005年12月には買収を完了している。

    Adobe Systemsは電子文書のデファクトスタンダードであるPDFやPostScriptの開発元。Adobe ReaderをはじめとするPDFプロダクトシリーズAdobe Acrobatファミリーを提供しているほか、PhotoshopやInDesign、Illustratorなどのプロダクトを提供している。

    MacromediaはWebアプリケーションにおけるリッチコンテンツフォーマットであるFlashを開発。Webブラウザ向けのFlashプラグインを提供しているほか、Dreamweaver、Fireworks、ColdFusion MXなどのプロダクトも提供している。ここ数年はリッチコンテンツフォーマットからアプリケーションプラットフォームとしての色を強め、「Macromedia Flash Platform」構想を推進している。

    Adobe SystemsはMacromediaを買収し、両者のポートフォリオを融合させていく戦略を発表。Adobe SystemsのPDFとMacromediaのFlashは、ともにデファクトスタンダード。つまりMacromediaを買収したことで、Adobe Systemsはアプリケーションプラットフォームを一気に手中に納めたことになる。

    Adobe Flex (Macromedia Flex)をジョイントの要とし、両社のポートフォリオが融合される。従来のデスクトップアプリケーションやサーバクライアントアプリケーションから、クライアント側の導入が簡単なWebアプリケーションでシステムを構築するシーンが増えている現状を見据えたAdobe Systems/Macromediaの戦略であり、今後の展開が注目される。

    Flex Framework 2 Command Prompt

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