日本IBM、高付加価値ソリューションをソフト戦略の中核に

    大川淳  [2006/03/10]

    日本IBM 三浦浩 常務執行役員

    日本IBMは2006年のソフトウェア事業戦略を示した。SOA(Service Oriented Architecture)、日本版SOX法(企業改革法)、ポータル、ITIL(Information Technology Infrastructure Library)、ITLM(IT Lifecycle Management)の5つの分野に焦点をしぼり、高付加価値ソリューションの普及を図るとともに、オープンスタンダードを推進、さらに、日本市場に適した事業展開にいっそう注力、パートナーとの協業を強化する。同社は、現在20種類ある、同ソリューションを年内に30種に増やす意向で、その促進のため30人体制のセールス/プロモーションチームを設ける。

    IBMのソフトウェア体系はシステム開発の「Rational」、Webサービスプラットフォームの「Websphere」、運用管理の「Tivoli」と「DB2」、「Lotus」が基本だ。要件定義から、システム構築、統合、運用、管理までを、「Websphere」「Rational」「Tivoli」に含まれる、さまざまなツールを連携させ、SOAの流れを完成させ、コンサルテーション、サポートも組み合わせる。同社では、このような取り組みを「高付加価値ソリューション」と位置づけている。

    日本版SOX法への対応としては、業務プロセス、IT業務処理から、ITインフラにかかわる全般の統制、文書化まで、それぞれ、「Rational」「Websphere」のミドルウェアを適用して、全体を捕捉する。同社のソフトウェア事業の采配を振る、三浦浩 常務執行役員は「基本は、ビジネスの統制、企業内統治ができていることを市場に示すことで、何ができているかということの『みえる化』が必要になる」と話す。

    同社が、「高付加価値ソリューション」を推進するうえで、その背景として据えているのは、オープンソースソフトだ。IBMは「オープンスタンダード確立に協力してきた。開発環境のEclipseをコミュニティに寄贈したり、ソースコードを提供したりしている」(三浦常務)のだが、オープンソースソフト支援は「明確な戦略に基づいて実行している」(同)。Eclipseの普及により、IBMの技術の裾野が広がり、オープンソースソフトを核としたオープンスタンダードを打ち立て、推進すれば、アプリケーション部品の連携、再利用がしやすくなる。

    このように、オープンスタンダードに沿って形成されたミドルウェアを、同社は前面に配置し、「高付加価値ソリューション」の市場を創り出していくことを図っている。三浦常務は「高付加価値のミドルウェアであっても、独自技術の場合、顧客の業務アプリケーションをカスタマイズするときに、技術や外的条件が変わると、陳腐化するリスクが大きい。オープンスタンダードのミドルウェアを用いれば、リスクは少なくなる」と指摘している。

    日本市場に適した事業展開としては、ミドルウェア強化などのため、これまで米IBMが買収してきた企業の技術を、早期に「日本化」するとともに、ISVやSI事業者など、パートナーとの連携を強める。顧客それぞれの状況に応じたソリューションを提供していくため、得意分野をもったパートナーと協業する。

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