陸域観測技術衛星「だいち」、レイテ島の地滑りの画像を取得・国際提供

    大塚実  [2006/02/25]

    宇宙航空研究開発機構(JAXA)は24日、フィリピン・レイテ島で17日に発生した大規模な地滑りについて、陸域観測技術衛星「だいち(ALOS)」で被災地の画像を取得、国際災害チャータに提供したと発表した。衛星に搭載した「高性能可視近赤外放射計2型(AVNIR-2)」を使って、20日に観測したもの。「だいち」は、先月24日にH-IIAロケット8号機で打ち上げられたばかり。

    「高性能可視近赤外放射計2型(AVNIR-2)」での観測(提供:JAXA)

    これは「パンクロマチック立体視センサー(PRISM)」(同)

    「だいち」はそれぞれ、役割の異なる3種類のセンサーを搭載している。今回利用された「AVNIR-2」は、地形の3Dデータが得られる「パンクロマチック立体視センサー(PRISM)」よりも地上分解能は10mと低いが(PRISMは2.5m)、カラー画像を作成できる上、44°の"首振り"が可能。「だいち」の軌道では回帰日数は46日で、地球上の"ある1点"を撮影するには最悪これだけ待つ可能性があるが、「AVNIR-2」は首振りによって真下以外の方向も見られるので、全ての地域を2日以内に観測できる。こういった特性から、大規模災害などの緊急時には、宇宙からの迅速な観測による国際貢献も期待されている。

    今回、国際災害チャータに提供した「だいち」の観測データは、災害発生前にフランスの観測衛星「SPOT」が取得していた画像に加えられ、災害状況が解析されたという。解析後の画像は、国際災害チャータを通じて「UNOSAT」のサイトで公開されている。

    解析後の画像。赤い点線の部分で地滑りが発生したと推定される(提供:UNOSAT)

    国際災害チャータは、大規模災害時に地球観測衛星データの無償提供を通じ、災害の把握・復興等に貢献することを目的とした枠組み。各国の宇宙機関が参加しており、JAXAは昨年2月に加入した。「だいち」はまだ初期機能確認フェーズのため、チャータ事務局から正式な観測依頼は受けていないが、今回の災害発生を受け、JAXAは初期機能確認の一環として取得した画像を提供した。

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