無線LAN共有プロジェクトFon、GoogleやSkypeも投資

無線LANを共有するコミュニティ活動を展開するスペインのベンチャー企業、Fonは2月5日、Google、Skype、Index Ventures、Sequoia Capitalの4社から投資を獲得したことを発表した。投資金額は総額約1800万ユーロ。コミュニティベースの運動としてはじまったFonが打倒テレコムオペレータを目指して、本格的に活動を展開する基盤を整えつつある。

Fon創始者のMartin Varsavsky氏によると、Googleら4社は総額1800万ユーロをFonに投資することで合意したという。4社のうち、Index VenturesとSequoia Capitalは、Skypeなどインターネット関連企業に投資する著名なベンチャーキャピタル。Google、Skypeとは、財務面だけでなく、戦略面でも支援・協業するというが、Varsavsky氏のブログでは具体的なことは明らかにしていない。同社は今後、この金額を主として、Fonのインストールを容易にするような技術の研究開発に充てるとしている。

2005年11月に立ち上げられたFonは、ブロードバンド回線を持つユーザー同士が無線LANを共有する仕組みで、ユーザーは自分の無線LANルーターに「Fon」をインストールすることで、自分の帯域を他の人とシェアできる。現在、無線LANローミングに共通の仕組みはないが、Fonでは無線LANアクセスポイントのネットワーク構築を目指す。Fonは現在、Linksysの「Linksys WRT54G」などのLinuxベースの製品に対応しており、Fonから直接インストール済みの無線LANルーターを購入することも可能だ。

FonではFonユーザーを"Fonero"と呼んでおり、"世界のWi-Fiよ、団結せよ"をスローガンに、スペインを初めとした欧州各国、米国などでFoneroの輪を広げている。Fonの仕組みは、ユーザー数(アクセスポイント数)が増えないとメリットはないが、Varsavsky氏によると、現在Fonのインストール数は3000を上回ったという。同社では、4年で100万件達成を目指している。

懸念されているセキュリティについては、1)FonをインストールすることでFonはネットワークを2つに分割し、1つをホームネットワーク用に、1つを無線LAN経由接続用にする、2)アクセスをFonユーザーに限定する機能、の2つの安全対策を講じているとブログで説明している。

Varsavsky氏は同日、当初から進めてきたISP戦略についても成果を発表、新たに米国のSpeakeasyと欧州のGlocalnetの2社と提携したことを発表した。ISPによっては、Fonのような共有の仕組みを脅威とみて、技術的に阻止する可能性もある。そこで、Fonでは、Fonは単なる無償の無線LAN共有プラットフォームではなく、FonユーザーはISPに料金を払っている点を強調し、今後も提携戦略を進めるとしている。

VoIPは既存のテレコムにとって脅威と言われてきたが、FonとSkypeのように、VoIPが無線LANと組むことは、移動体通信オペレータにより大きなインパクトを与えそうだ。Skypeはすでに、専用端末を提供したり、オペレータと提携したり、モビリティの要素を加えようとしている。FonのVarsavsky氏はブログにて、「Fonの運動は、3GやEVDOがまだ達成できていないこと--真の意味での偏在的な無線インターネット--を達成できる」と述べている。



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