ウィルコム、お値段そのままで通信速度を1.6倍に - 最大408kbpsへ

 

事実上、国内で唯一のPHS事業者となったウィルコムは、現在、着実に加入者を伸ばしており、昨年12月には契約者数が過去最高になるなど、事業は順調だ。国内初のWindows Mobile 5.0搭載PHS「W-ZERO3」も、売れすぎて出荷が間に合わないほどで、データ定額、音声定額、公衆無線LAN、ADSLなど、矢継ぎ早のサービス展開でさらなる成長を目指している。

ウィルコムでは今年以降、PHSの通信速度の増速を進めていく意向で、まずは2月1日から、最大32kbpsの[1x]を[2x](64kbps)とする。現在、「つなぎ放題[1x]」は月額6,090円で提供されており、この料金はそのままでの提供となる。同様に「ウィルコム定額プラン」のオプションとして提供されている「リアルインターネットプラス[1x]」も料金そのままで[2x]に増速する。いずれも[4x]に対応した端末でないと利用できないが、これによりこれら料金プランでは最低でも64kbps通信までが定額で利用できるようになる。当初は同社のISP「PRIN」のみの対応だが、おおむね4月以降は、各ISPも対応してくるという。

また2月下旬からは高度化PHS通信規格の「W-OAM(WILLCOM Optimized Adaptive Modulation)」を導入、1.6倍程度の増速を実現する。W-OAMでは、電波の状態に応じて変調方式を自動的に選択、電波の届きにくい場所では電波到達度が高い(ただし低速になる)BPSK(Binary Phase Shift Keying)、距離が遠い・高速移動中にはQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)、近接では8PSK(8-Phase Shift Keying)というように変調方式を切り替えることで全体として速度を向上させる。将来的には16/64QAMをサポートし、最大で1Mbps程度の通信速度まで到達させる見通し。

[2x]、さらにW-OAMの導入により、これまでの[1x]の月額料金で最大100kbps以上の通信速度が実現できる。東京・虎ノ門のウィルコム本社内では[2x]+W-OAMで86kbpsが出た

こちらは[4x](左)。右は[4x]+W-OAM。理論上は204kbpsまで増速される

さらに[8x]。明らかに高速化の恩恵が得られている

基地局と端末の両方の対応が必要で、すでに2004年ごろから基地局の入れ替えを始めており、順次利用可能範囲を拡大させていく。大都市圏から対応していく予定だ。対応端末については、NECインフロンティア製のPCカードタイプの通信カード「AX520N」とCFカードタイプの「AX420N」、同じくCFタイプの「AX420S」(セイコーインスツル製)を提供する。AX520Nについては最高速の[8x]対応端末となる。後者2製品については[4x]対応だ。

新発売となるデータ通信カード。通信モジュールを取り出した「W-SIM」は現時点でW-OAMに対応しないが、対応モデルの提供を検討しているという

今後、通信スロット数をより増やす[12x]、[16x]、変調をさらに多値化する16QAM、64QAMと導入していくことで、単純計算では[16x]・64QAM時で最大1.5Mbpsまで通信速度が向上する見込みだ。

また、同時にTCP/IPを無線通信向けに拡張したW-TCPを導入、ロスしたパケットのみを再送する方式で、通信エラーを前提として、そのエラーを効率的に最適化することでスループットを向上させる。

このW-OAM、W-TCPを導入した結果、通信速度が約1.6倍になるため、[2x]で102kbps、[4x]で204kbps、[8x]では408kbpsまで増速される。しかも、料金は据え置きだ。

さらに次世代PHSの導入も目指す。現在、携帯電話でも3Gが拡大、3.5Gが今年にも導入予定となっており、さらに一部では4Gに向けた取り組みも進められている。3.5Gでは10Mbps以上、4Gでは100Mbpsまで高速化できるとされているが、ウィルコムが進める次世代PHSは、携帯電話の3.5Gの位置づけで、通信方式TDD/TDMAの次世代システムを採用する。OFDMA技術を利用、20Mbps以上の通信速度が想定されており、1月27日には実験免許を取得、今後1年間の実験を行う。

増速化をはかるほかにも、W-ZERO3向けに開始されている無線LANオプションを、2月1日から「AIR-EDGE[PRO]」ユーザーにも拡大。追加料金無料で利用可能にする。6月1日からは全ユーザーに対してもサービスを提供、「つなぎ放題[4x]」や「ネット25」などの契約者には月額700円、それ以外では月額1,600円で提供する。

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