Windows互換の「ReactOS」、開発一時停止へ --Wineの開発計画にも影響?

    海上忍  [2006/01/30]

    Windowsと互換性を持つバイナリ実行環境の開発を進めるReactOSプロジェクトは27日、すべてのソースコードを検査し、米国の法律に触れる可能性がある部分を修正する方針を明らかにした。2004年に流出が発覚したWindows 2000/NT 4.0のソースコードに対し、一部の開発者がアクセスした事実を受けての決定。すべての検査と修正が完了するまでには数年を要するとの予測があることから、開発プロジェクトは長期間に渡り事実上の停止を余儀なくされる見込み。

    今回の事件の発端は、今月中旬にReactOSの開発者向けメーリングリストに投稿された1通のメール。1人の開発者が突然プロジェクトを離れると宣言したため、他の開発者が理由をたずねたところ、理解できない変更点を調べるためReactOSとWindows 2000/XPを逆アセンブルして比較した結果、数人の開発者が記述したコードにWindows 2000/XPから流用したと覚しき箇所を発見、退会を決意したというもの。その後の調査により、ReactOSに著作権を侵害するコードが混入した疑いのあることが確認され、27日に文書(Reset, Reboot, Restart, legal issues and the long road to 0.3)として発表された。

    疑惑はReactOSと協力関係にあるWineプロジェクトにも波及している。Wineプロジェクトが発行するWine Weekly Newsletter #304によれば、ReactOSとコードを共有しているWinetools(Wineの機能を補完するサブプロジェクト)に直接的な影響がある模様。Winetoolsは、多くのWindowsアプリケーションの実行に必要なライブラリを追加インストールしたり、アプリケーションの設定を自動処理したりする役割を持つが、Wineプロジェクトではメリットよりもデメリットのほうが大きいと判断、Winetoolsをダウンロードページから外す方向で調整が進められている。

    ReactOSは、Windowsとのバイナリ互換を目指したオープンソースのOS。Windows互換のHAL(Hardware Abstruction Layer)やカーネルを独自に実装するほか、Wineプロジェクトが開発を進めるWin32 API互換のライブラリ群を取り入れ、互換性向上を図っている。バージョン0.2以降では、メモ帳やRegedit.exeなどのWin32アプリケーションのほか、nVidia製グラフィックカードや数種類のサウンドカードがサポートされるなど、ドライバの動作も報告されている。

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