IEEEのUWB標準化部会、妥協点を見いだせず解散へ - 判断は市場に

    Yoichi Yamashita  [2006/01/20]

    IEEE802委員会の下部組織である802.15.3a Task Group(TG3a)は、米ハワイで開催されているIEEEの会合において、UWBの標準仕様策定に向けて2003年1月に提出したProject Authorization Request(PAR)の取り下げを決議した。TG3aが標準仕様策定を断念したことで、UWB ForumとWiMedia Allianceが対立しているUWBのデファクト争いは市場の判断に委ねられる。

    TG3aは18日(現地時間)に、部会解散を提言するための投票を行い、19日(同)に802.15 Working GroupがIEEE SAの新標準委員会に802.15.3aプロジェクトの解散案を提出することを認めた。これを受けてUWB ForumとWiMediaは共同で声明を発表。その中でTG3aメンバーと関係者に対して、これまでの努力に謝意を示した上で、「UWB市場開拓の現段階において、複数のUWB技術と共に市場を前進させるためには、より慎重なステップが必要であるという点で我々の意見は一致している」と述べている。

    SeagateがCESで披露したワイアレスUSB対応の携帯型HDDのデモ

    3年間のTG3aにおけるUWB標準化作業では、当初23も存在したUWB PHY仕様の候補がMultiBand OFDM方式とDS-UWB方式の2つに絞り込まれた。MultiBand OFDM方式はIntel、Texas Instruments、Microsoftが参加するWiMedia Alliance、DS-UWB方式はFreescale SemiconductorやMotorolaが参加するUWB Forumによってサポートされている。技術的に異なる2方式の対立は根深く、ドラフト案の1本化を実現できずに時間だけが経過。その間に両陣営が、それぞれ着々とシリコンチップの開発を進めてきた。今月初旬に米ラスベガスで開催されたCESでは、DS-UWB方式のUWBモジュールを組み込んだ携帯電話やMultiBand OFDM方式のワイアレスUSBに対応した携帯型HDDなどのデモが披露されるなど、具体的な製品の姿が見え始めている。妥協点を見いだそうにも変更を加えるのが、すでに難しいのが現状だ。

    TG3aでは両方式とも取り入れる案も検討されたが、チップのコスト上昇につながるため現実的ではない。これ以上、技術を材料に標準化を議論するのが困難な状態となったため、市場に判断を任せようという動きにつながった模様だ。

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