NY交通スト、通勤を助けるネット情報、買い物客はオンライン店に

ニューヨーク市の地下鉄とバスを運行するMTA(Metropolitan Transportation Authority)の労組ストが2日目に突入した。MTAが運行する地下鉄とバスは"ニューヨーカーの足"と言える存在だ。マンハッタン内を移動するための交通手段であり、マンハッタンとロングアイランドやブロンクス地域を結ぶ交通機関である。タクシーという選択肢もあるが、狭いマンハッタンではタクシーの数にも限りがあり、すべての移動客には対応できない。MTAが止まると、ニューヨーカーは徒歩移動を余儀なくされるのだ。そのため25年前の前回全面ストの時は、女性がスーツにスニーカーで通勤するスタイルが広まった。

25年ぶりのMTA労組全面スト。地下鉄の入り口には「立ち入り禁止」の看板

公共機関が使えないならばマイカーで……となるが、全面スト開始と共に、午前5時から11時までは4人未満の自動車のマンハッタンへの侵入が禁止されている。25年前と同様、数多くの人が徒歩でブルックリン橋を渡って職場や学校に向かい、橋の周辺や大きな通りの交差点ではスーツ姿にスニーカーでヒッチハイクする人が見られる。

しかし、前回に比べると混乱は抑えられているようだ。要因の1つとして、Web情報の効果が挙げられている。たとえばニューヨークタイムズ紙はオンライン版を通じて、Google Mapsをベースにした2種類の情報を公開している。1つは交通機関情報で、地図上に徒歩や自転車で渡れる橋、タクシー乗り場、マイカー利用者が相乗り希望者を乗せるための集合場所などが表示されている。車のアイコンをクリックすると、集合場所の正確な住所を記した吹き出しがポップアップする。もう1つは市民が交通状況に関するコメントを書き込めるマップで、コメントのフラッグをクリックすると、徒歩で橋を渡るのに必要な時間や相乗りの集合場所の状況など、様々な情報を確認できる。公共と市民、2つの最新ローカル情報を組み合わせれば、効率的な通勤方法を見つけられそうだ。このほかMTAも同局のサイトで、労組ストに伴う交通規制、各地域とマンハッタンを結ぶ交通機関、特別フェリーの運行など、豊富な情報を提供している。

ローカルニュース等では、混乱や事件を避けるためにテレコミューティングの利用を勧めている。ちなみに、ここ2日間のマンハッタンの気温は昼でも0度前後。徒歩での長時間通勤は危険が伴う。これにいち早く反応したのがWebサービスプロバイダーのLiveOfficeだ。MTA労組ストの影響を受けるニューヨーカーに対してWebコンファレンスサービスを無料で提供すると発表した。

全面ストはクリスマスの買い物客にも影響している。この時期、たくさんの人でにぎわうロックフェラーセンターのクリスマスツリー周辺にはいつもの活気がない。BloomingdaleやMacy'sなどは通常通り営業しているが、店内には買い物客の姿が少ない。マンハッタンの住人は外に出かけて買い物をせず、オンラインショップを利用しているようだ。オンライン・ジュエリーストアのice.comによると、全面スト初日にはニューヨーク市からの利用が他の地域に比べて15%ほど上昇したそうだ。ただし、オンラインショップではFedExやUPSのプレミアサービスを利用しないと、クリスマス前の配達に間に合わない時期に差しかかっている。それでなくても、今年はオンラインショップの利用者増で配送サービスがフル稼働状態である。MTA労組のストはビジネスだけではなく、ニューヨーカーの家庭にも少なからず影響を及ぼしそうだ。



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