中国証監会が大唐電信を虚偽情報で調査 - 3G進捗に影響も

宇生  [2005/11/30]

中国独自の「3G」規格推進役でTD-SCDMA陣営の大唐電信が、投資家向け情報で虚偽情報を提供したとの疑いで、中国証券監督管理委員会(以下「証監会」)北京証監局から立案調査の通達を受けたと発表した。証監会は虚偽情報の中身について具体的に公表をしていないものの、中国のTD-SCDMA商用化において大きな役割を果たす大唐電信のスキャンダルだけに、3G時代の幕上げを間近に控えた中国の通信業界への影響は大きいだろう。

発表当日は証券市場で通信関連の銘柄が軒並み下落、大唐電信はストップ安となり、一旦は取引中止となった。今回の事件がTD-SCDMA陣営にどのような影響を及ぼすのか、中国での3G規格決定へと向かう全体日程に何らかの影響があるのか。TD-SCDMA推進の中心を担う大唐電信だけに、目下中国では大きな注目を浴びている。

今年半ば頃からTD-SCDMA陣営の猛追が注目を集めていた中国国内の3G規格競争。商用化スケジュールでこれまで先行してきたWCDMAやCDMA2000陣営に追いつくため、チップメーカーや端末メーカーを含めたTD-SCDMA陣営が商用化に向けたラストスパートをかけていたためである。日程的には、最後の関門である場外テストの最終段階にあった。

大唐電信は、中国政府の後押しを受けてTD-SCDMA規格の制定や商用化の推進を担ってきた言わば国策会社である。ところがその反面、財務状況はこれまで総じて芳しいとはいえなかった。今年1-9月の業績をみても、すでに2億元弱の赤字を計上している。TD-SCDMA方式の推進は国策であるだけに莫大な資金が投入されてはきたが、それを賄うだけの経営体力が推進役の大唐電信にはまだないという評価もある。負債や在庫などが相変わらず高止まりなのも気がかりだ。それだけに、たとえTD-SCDMA方式が中国における3G規格として浸透したとしても、短期間に大唐電信の財務状況が改善するとは考えにくい。

中国の3G時代幕開けの前夜に、その主役格たる大唐電信にスキャンダルが発覚した。今後の調査状況の進展によっては今回の事件が中国3Gの進捗に影響してくる可能性も否定できない。しかしその反面、中国の国家機関が国策会社といえども、法の公正な運用をはかるという原則の下では例外となり得ないという判断を下したものとして、WTO加盟後に進みつつある中国の司法、行政の変化も垣間見える。今後の動向が業界の注目を集める所以である。

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