徐々に明らかになる FreeBSDの将来 - 2007年に7系が登場へ

    後藤大地  [2005/11/26]

    FreeBSD 6.0-RELEASEは、ここ数年間にわたるFreeBSD開発のひとつの集大成であり、ニューブランチのイニシャルリリースとしては高い品質を実現できた点できわめて注目に値するリリースとなった。むこう2年間ほどの間、6系はエンタープライズ用途にもデスクトップ用途にも中心的ブランチとして扱われつづけるだろう。

    The FreeBSD Projectから今後のリリーススケジュールの正式な発表はまだないが、大枠となる方針は明らかになりつつある。細かいスケジュールは今後発表される内容をご覧いただくとして、ここでは開発者の間で行われている議論から現在検討されているスケジュールの大枠を抜粋して紹介する。

    スケジュールポリシー

    まず、これまでの反省からリリーススケジュールについて改めて以下のように確認される。

    機能をベースとしたリリーススケジュールではなく、日程を基本としたリリーススケジューリングをベースとする。ただし、最大の焦点は品質であるとし、もしスケジュールを越えても品質に関与する問題があれば、修正するまでリリースを遅延させることもあるとする。

    スケジュール対象は大枠からみてマイナーリリースとメジャーリリースというふたつ。4カ月から5カ月ごとのマイナーリリース、1年半から2年程度でのメジャーリリースを基本スケジュールとし、従来よりスケジュール通りのリリースを目指す。リリース間は、前半2カ月から3ヶ月を開発やMFC(Merged From -CURRENT; 開発版から安定版への機能マージ)の期間とし、後半2カ月ほどをリリースへ向けた試験、デバック、リリースへ向けた期間とする。

    The FreeBSD Projectは大きな改編を加えたFreeBSD 5系で、年単位の延期を行うなどしてスケジュール通りのリリースができず、個々のマイナーリリースも大幅に遅延したという経験をした。この間、2系列ブランチを同時にリリースエンジニアリングするという高負荷を強いられてきた。The FreeBSD Projectとしては従来のリリーススケジューリングへ戻し、より健全な開発体制と高品質確保の体制を取り戻したい意向がある。

    FreeBSD 5系

    FreeBSD 5系は、次のFreeBSD 5.5-RELEASEを最後にブランチを終了する予定。すでにFreeBSD 6.0-RELEASEがある程度の成果を納めているため、FreeBSD 5.5-RELEASEの登場を疑問視する声もあったが、FreeBSD 5.5-RELEASEをリリースし5系の最後とする。

    FreeBSD 5.5-RELEASEは2006年の春、4月ごろが予定されている。5系にこだわる理由がなければ、採用するブランチは6系の方がよいだろう。安定性の面でも性能の面でも、6系を避けて5系を採用する理由はあまりみあたらない。

    FreeBSD 6系

    FreeBSD 6系はむこう1年から2年の間、リリースのメインブランチとして扱われる。だいたいFreeBSD 6.4-RELEASEまでが予定されている。リリース期間からおおざっぱにスケジュールを出すと、だいたい次のようなスケジュールになる。ただしこのスケジュールはあくまで参考程度にとどめてほしい。詳しいスケジュールは今後発表されるだろうリリーススケジュールを参考にしてほしい。

    • FreeBSD 6.1-RELEASE - 2006年 3月
    • FreeBSD 6.2-RELEASE - 2006年 8月
    • FreeBSD 6.3-RELEASE - 2006年12月
    • FreeBSD 6.4-RELEASE - 2007年 5月

    品質に注力するという目的のために、個々のマイナーリリースでスケジュールに遅延が発生することもあるだろうが、大枠のスケジュールはずらさず、2007年の春には最後の6系をリリースし、6系の最後とする予定。

    FreeBSD 7系

    FreeBSD 7系は、向こう2年間はメインの開発ブランチとして扱われる。現在注力されている開発は7系で行われ、順次FreeBSD 6系にMFCされてからリリースという流れになる。

    FreeBSD 7系における主要な開発は2007年の春まで行われ、FreeBSD 6系の終了と時期を同じくしてFreeBSD 7.0-RELEASEが行われる予定。FreeBSD 7.0-RELEASE以降は、FreeBSD 6系にかわる安定ブランチとなる予定。

    採用の指針

    今後2年ほどの間は、FreeBSD 7系が開発ブランチ、FreeBSD 6系が安定ブランチという従来の2ブランチ体制が実現されることになる。とくにFreeBSD 6系は最初のリリースの出来がよかったことから、今後のリリースにおいても期待が持たれている。

    これまで安定性の面からFreeBSD 4系を採用しつづけてきたサーバは、この機会にFreeBSD 6系へのアップグレードを検討するべきだろう。エンタープライズシステムにおける採用もFreeBSD 6系を考えた方がよい。FreeBSD 6系ブランチ終了後のセキュリティブランチ期間を加味しても、現在から換算してFreeBSD 6系で約3年、場合によっては4年近い運用が試算できる。

    FreeBSD 4系でサーバを運用している管理者はこれを機に移行計画にとりかかるとよいだろう。

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