DBの正規形は速度面でも有利? - DOA+コンソーシアムが測定を公開

    後藤大地  [2005/11/14]

    DOA+コンソーシアム 第3分科会は、データベースにおける正規化と非正規化における性能差に関する研究報告書を「正規化と非正規化の応答速度実証実験」という名のもとに公開している。

    DOA(Data Oriented Approach)の普及を推進するにあたり、データベースにおいて正規化をおこなうとレスポンスが悪化するという認識が心理的な障害になっていることがわかったため、正規形のデータベースが高レスポンスを実現することを確認する目的でこの研究を行い、その成果を公開することになったという。

    実験に用いられたシナリオ、正規形モデル化、非正規形モデル化、T字形ER化などは実際のデータベース設計の際にも参考になる。正規形、非正規形ともにINDEXを使用しない場合は利用に耐える性能を発揮できず、INDEXおよびいくつかの手法を組み合わせることで高速な実行が可能になる。

    DOA+コンソーシアム 第3分科会は「正規化と非正規化の応答速度実証実験」において、インデックスを適切に利用すれば正規化されたデータベースは非正規化されたデーベースよりも高速に動作し、逆に非正規化されたデータベースはJOINすると実用に耐えないほどきわめて動作が遅くなるということを報告している。非正規化されたデータベースを使っている技術者が、正規化するともっと遅くなるのではないかと誤解する可能性があるが、それは誤解であるとされている。適切なチューニングを施せば、正規化されたデータベースは高速に動作するという。

    ただし、同報告書によると、同実験において用いられたNull Key(T字形ER手法)によるチューニングはすべてのデータベースでは使用できないようである。たとえばOracleやPostgreSQLでは有効だが、IBM DB2などでは利用できないとされている。

    測定に使用された環境はIntel Xeon 3.6GHz×2(EMT64T)、7GB RAM、300GB×5 (RAID 5) HDD、Linux/x86_64(kernel 2.6)、PostgreSQL 8.0.3、JDK 1.5.0_05(64bit)、Tomcat 5.5.12、楽々Framework II V2.1(Prepared Statement)。データ件数は合計1億件以上、物理データ容量は35,564,377KB。OracleではなくPostgreSQLを採用した理由は、Oracleを使用するとパフォーマンス実験の結果を公表できないためだという。

    DOA+コンソーシアム(DOA+ Consortium)は2003年12月に設立されたDOAに関する研究や普及の推進を行う組織。代表幹事にデータ総研の椿正明氏、副幹事に東京国際大学教授 堀内一氏、エスディーアイの佐藤正美氏が就任している。DOA+の+は、DOAをさらに洗練し、より属人性を排除したデータ設計の手法であることを意味する。第3分科会は2005年度に新設された研究会で、普及促進研究会としての側面を持つ。

    DOAは、業務システムでは取り扱うデータが急激に変更されることはないという特徴に基づいて、データの定義からシステムを構築していく開発手法のこと。システム開発手法はほかにもPOA(Process Oriented Approach)やOO(Object Oriented)などがある。Javaの普及と同時に、OOの手法が盛んにシステム開発にも適用されるようになった。DOA+コンソーシアムはこうした状況を鑑み、これまで培われてきたDOA技術の継承と、DOAの更なる研究や普及を目的としている。

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