レノボは、第2四半期の財務報告を発表した。報告を見る限り、レノボは第1四半期に続き増収増益の勢いを堅持している。いまのところ、新製品ラインナップも概ね顧客から支持を得ており、新興市場でも業績が順調に伸びている。今回の財務報告は、IBMパソコン部門の買収後、初めて当該部門の業績を反映した報告であるが、レノボとIBMパソコン部門の統合が大方の予想以上にスムーズに進んでいることを印象付けた。
レノボの第2四半期売上高は285億HKドルに達し、前年同期比(以下同)404%増となった。税引き前利益は5.07億HKドルで、純利益は3.54億HKドル。それぞれ70%、22%の大幅増加となっている。また、1株あたりの利益(EPS)でも2%増の3.95HKドルとなった。これに基づき、同社の取締役会は1株あたり2.4HKドルの配当金議案を出す準備をしている。
内容をみてみると、第2四半期のレノボのパソコン販売量は、レノボブランド、および「ThinkPad X41」シリーズなどの新製品リリースにより、13%増加した。地域別では、EMEA地域(ヨーロッパ、中東及びアフリカ)で赤字となったが、中国、アメリカ及び太平洋地域においては黒字を確保した。
今期の業績についてレノボは、「やらねばならないことは依然山積みだが、新生レノボの統合効果が出始めている。財務上では第1四半期に続き今期も増益を達成し、キャッシュフローも非常に健全な状態にある。もっとも重要なのは、統合後のシナジー効果が早くも出始めたことで、顧客や市場からも良い反応を得られている」(レノボCFO 馬雪征氏)と総括している。
見逃せないのは、レノボの収益を牽引しているのが主要新興市場での健闘ということだ。これまでレノボが新興市場で築いてきたビジネスモデルが、引き続きのその威力を発揮している。なかでも、中国とインドという主要市場で、売上高、販売量とも全体の伸び率を上回る伸長ぶりを見せている。大中華地域(中国大陸、香港、マカオなど含む)では売上げが102億HKドル、経常利益が5.67億HKドルに達し、アジア太平洋地域(大中華地域を除く)でも売上げが34億HKドル、経常利益が0.99億HKドルとなり、前期の赤字から黒字転換に成功した。さらに北米でも売上げ、経常利益がそれぞれ、91億HKドル、2.15億HKドルに達し、年間成長率でこそ市場平均を下回ったものの、販売量では史上最高を記録した。唯一赤字を記録したのEMEA地域については、当地の中小企業のニーズに応えきれなかったことが影響したようだ。
レノボの売上利益率は、年率換算で昨年より2%増の14%となり、今回、IBMパソコン部門の業績が初めて完全に反映されたため、第2四半期の数字は前期よりやや落ちた。しかし、レノボは今後もシナジー効果が継続するなかで、グループの成長がより堅調なものになると予測している。
製品別の状況では、ノートパソコンが引き続き好調で、販売量で記録を更新した。レノボの法人向け、および個人向けハイエンド市場での優位を見せつけた形だ。レノボは今後も当該市場での立場をより強固にすると同時に、さらにラインナップを拡充し、中小企業向け市場にも力を注いでいくと表明している。このところ顧客も、レノボがリリースした新製品について概ね好意的な評価をしており、特に中小企業向けの「ThinkPad Z60」シリーズや、中国の消費者を意識した「旭日125」シリーズなどが順調に売上げを伸ばしている。中国でのアンケート調査でも、レノボのノートパソコンの顧客満足度は第1位にランクづけされ、同市場での地位は以前にもまして確かなものになってきている。
デスクトップパソコンについては、主に主要新興市場での健闘が底上げに繋がり、そのため世界シェアも上がった。デスクトップパソコンは、新興市場でのパソコン販売の主流を占めるため、レノボはとりわけこれに注力してきた。レノボは先に、中小企業向け市場の強化を進め、ラインナップを拡充すると宣言しており、早くも10月には「ThinkCentre E」シリーズをリリースしている。ちなみにこの製品は、レノボとIBMの開発陣が共同で開発した初の製品であり、それぞれの得意技術を統合した結晶とされている。
携帯端末事業については、主要市場である中国で売上げが倍増以上の11億HKドルとなり、大きな伸長を見せた。販売量も139%増の140万部となり、中国市場におけるシェアで5番手に浮上した。これは、激しく変化する市場ニーズを的確に捉え、常に差別化の図れる機器をスピーディに市場に投入してきたことが功奏したものと考えられる。
世界を驚かせたレノボによるIBMパソコン部門買収劇から早くも1年が経とうとしているが、世界を相手にその戦略の正しさを証明したいと言わんばかりの躍進ぶり。その一挙一動が、いよいよ世界の耳目を集めるようになってきた。
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