Wineプロジェクトは25日(米国時間)、Windows用アプリケーションの実行環境を実現するAPIセット「Wine」のベータ版(v0.9)を公開した。ソースコードおよび各種PC-UNIXディストリビューション向けのバイナリパッケージは、同プロジェクトのWebページ経由で提供が開始されている。
Wine 0.9では、設定ツール「winecfg」が強化され、開発者がアプリケーションの初期化/各種設定用設定ファイルを作成する手間が軽減されたほか、必要なDLLのすべてが標準装備されるようになり、別途Microsoft社製のDLLを用意する必要がなくなった。また、Windows用アプリケーションに付属のインストーラでテストを重ね、多くの場合スムーズなインストールが可能となった。
Wineプロジェクトを支援するCodeWeavers社も同日、Wine 0.9ベースのLinux用Windowsアプリケーション実行環境「CrossOver Office 5.0」をリリースした。Microsoft Office 2003など多くの商用パッケージに対応したほか、アプリケーションのパッケージ化を助ける「Bottles」などの新機能が追加された。同社オンラインショップでの価格は、スタンダード版が39.95USドル、プロフェッショナル版が69.95USドル。
Wineは、LinuxなどPOSIX互換環境上にWindows互換のアプリケーションプログラミングインタフェースを提供するAPIセット。プロジェクト名(WINE Is Not an Emulator)の由来通り、CPUのエミュレートなどハードウェア環境を再現する方法ではなく、Windows APIのコールを実行環境に応じて置換する方法によりWindowsアプリケーションを実行することが特徴。
Wineプロジェクトは、Windows 3.1互換環境の実現を目的として1993年にスタート。その後Win32 APIにも対応すべくプロジェクトは継続されたものの、開発フェーズはアルファ版の段階にあるとしてベータ版および正式版のリリースは見送られてきた。一方、CrossOver Officeや一太郎 for Linuxに同梱されるなど、すでに商業ベースでの実績がある。
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