模型メーカーのタミヤは11月18日に新製品「ミニ四駆PRO(プロ)」を発売する。
これは小中学生を中心に絶大な人気を得た組み立て式のレーシングホビー「ミニ四駆」の新シリーズ。「ミニ四駆PRO」では外見のミニ四駆らしいスタイルをそのまま引き継ぎながらも、内部を大幅に改良。若年層だけでなく、かつてのミニ四駆少年たちにも魅力的なキットとして仕上げられている。11月18日には「ミニ四駆PRO」の第1弾として「ナイトロサンダー」「ナイトロフォース」の2車種をリリース。価格はそれぞれ組み立てキットが714円、完成車が840円となっている。
新シリーズの「ミニ四駆PRO」が従来のミニ四駆と最も異なるのは内部構造。これまでの車体において、モーターは後部に横置きとなっていたが、「ミニ四駆PRO」では新開発の「ダブルシャフトモーター」を車体の中央に縦置きで配置。さらにモーターシャフト両端のピニオンにより前後のギアを直接駆動する。これまで車体中央に2本揃えて置かれていた単3電池は、モーターの両サイドにセットされる。
旧来のミニ四駆ではモーターが後部に置かれる構造上、重心も後ろ寄りにならざるを得なかった。そのため高速走行になるほど車体前部が浮きがちになり、コースから飛び出してしまうなど、不安定な走行を強いられていたが、「ミニ四駆PRO」ではこの新設計により、低重心かつ均等な重量配分を実現。高い安定性を獲得している。
一部にモーターを前に配置した車種はあるが、「レーサーミニ四駆」シリーズ、また派生シリーズの「ダンガンレーサー」においても「電池は中央に、モーターは後部に」という基本構造は変わらなかった。こうした点からも今回の変革がいかに大きいものかを感じ取ることができるだろう。
さらに新開発の「MSシャーシ」はノーズ、センター、テールに3分割することが可能。これは既発売の「ダンガンレーサー」で採用されていたものを発展させ、ミニ四駆に合わせて取り入れたもの。この分割可能なMSシャーシの導入により、ミニ四駆の大きな魅力である改造やパーツ交換などのカスタマイズにおいて、より一層の幅を持たせている。
MSシャーシの各パーツはそれぞれワンタッチで取り外しができるが、ジョイント部分をボックス構造とすることで、車体の剛性は弱まることなく、むしろ高まっている。単に頑丈となっているだけでなく、駆動伝達のロスも少なくなっており、スピードの向上にもつながっているという。
「ミニ四駆PRO」ではこうした大幅な改良が行われているものの、組み立てに接着剤が不要な点や、各種グレードアップパーツとの互換といった、シリーズの人気を支えてきた長所はそのまま引き継がれており、子供や初心者、そしてブランクのあるかつてのファンでも安心して楽しめるようになっている。
また今回は通常の組み立てキットだけではなく、完成車も同時に発売。完成車にはそれぞれ3種類のカラーバリエーションが用意される。「ナイトロフォース」「ナイトロサンダー」とも、組み立てキット1種と完成品3種の発売で、合計8種の「ミニ四駆PRO」が店頭に並ぶ。
また「ミニ四駆PRO」シリーズではないが、今年4月から発売されている「レーサーミニ四駆メモリアルボックス」も好調なセールスだという。これはミニ四駆ブームの火付け役となったマンガ『ダッシュ! 四駆郎』で登場した車種など歴代の名車を、ファンの要望に応え、特別パッケージで復刻したもの。今月29日には「Vol.4」、12月には「Vol.5」が発売予定。すでに発売となったボックスに関しては、店頭分の商品のみということなので、ファンは急いで手に入れておきたい。
またミニ四駆と言えば忘れてはならないのが、イベント司会などを務める、ミニ四駆のお兄さんこと「ミニ四ファイター」。現在はダンガンレーサーのお兄さんである「ダンガンガッツ」が「ミニ四駆PRO」の紹介も兼任しているが、新シリーズ発売に合わせてミニ四ファイターも復活するのか、というのはやはり気になるところ。タミヤの広報担当者によれば「ミニ四ファイターの再登場は未定ですが、2代目ファイターが就任から10年以上経っているので、もしかしたら3代目が登場するかもしれません」とのこと。
児童マンガ誌『コロコロコミック』などでのミニ四駆マンガの連載はいまのところ未定だが、2006年には新たな展開として、オンラインゲーム『ミニ四駆オンラインレーサー』が控えているという。また「ミニ四駆PRO」発売直後の11月19日と20日には静岡市のツインメッセ静岡で「タミヤフェア2005」が開催され、初の公認競技会も行われる。
発売から20年以上経ったミニ四駆。親子で楽しむファンが多いことでも知られるホビーだが、最初のミニ四駆世代は、いつの間にかその親の世代へとさしかかろうとしている。大人たちにとって今回の「ミニ四駆PRO」は、当時を懐かしむだけではなく、つぎの世代との絆ともなる、新たなツールの登場と言えそうだ。
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