韓国産の技術「WIPI」が国際標準となるか? - W3Cが協力を表明

佐々木朋美  [2005/10/06]

韓国電子通信研究院(以下、ETRI)は、WWW(World Wide Web)に関する標準化を進めている団体「W3C(World Wide Web Consortium)」が、最近公開した「Mobile Web Initiative(モバイルウェブ標準化:携帯電話からのWeb利用を簡便に行えるようW3C内で発足した共同体)(以下MWI)」の、活動範囲を定義づける文書において、韓国標準の無線インターネットプラットフォームである「WIPI(Wireless Internet Platform Intercperabillity)」をW3Cにおける標準とすることに対し、相互協力していくことを明言したと発表した。

WMIによるモバイルWebの標準化活動には、日本のNTTドコモのほかNOKIA、vodafone、France Telecomなど、通信業界における各国の主要な企業が参加している。そのMWIの活動の柱の一つに、より多くの携帯端末で閲覧可能なWebコンテンツの開発を支援する方針や実践例などの策定があるが、それを実行しているのがMobile Web Best Practicesワーキンググループだ。

このワーキンググループの活動範囲を定める「Scope of Mobile Web Best Practices」という文書においてWIPIは、GSMA(GSM Assosiasion:GSM方式の業界団体)やOMA(Open Mobile Alliance:事業者や端末に関係ないシームレスなモバイルサービスを提供することを目指して設立された業界団体)などとともに、標準化活動のための相互協力対象として挙げられている。

WIPIはETRIが主導する「韓国無線インターネットフォーラム」が作った無線インターネットの標準規格だ。それまで韓国内の3キャリアがそれぞれ異なるプラットフォームを使っていたため、ソフトウェア開発コストの節約や、ユーザの便宜を図ることを目的に作られたWIPIは、2005年には政府の情報通信部により国内標準として採択され、現在韓国内の携帯電話に搭載されている。

ETRIでは今回の協力が円滑に進んでいけば、韓国内の標準技術であるWIPIがW3CによるモバイルWebの標準になる可能性があると期待を寄せている。またこれによりWIPIの世界進出も可能となるほか、世界市場をリードできるとも予想する。とくに開発途上国のような、有線より無線によるインターネットがより速く普及すると予想される市場においては、より大きな影響力を持つことになるだろうとの展望を抱いている。

ただしETRI基盤技術研究所のサービス融合標準研究チーム長であるLee Seungyun氏によると「WIPIの標準化が決定したと結論付けるのは早急すぎる意見。中にはWIPIへの反対意見があるのも確か。今回の発表は、WIPIがモバイルWebの標準となるための第一歩を踏み出したということを知らせたかったため」と慎重になる。

今回、W3Cから発表された、モバイルWeb標準化に関する文書も、いまだ「Draft(草稿) 1」とされており、今後その内容が更新される可能性があるについても言及されている。実際の標準化は先のこととなるが、WIPIが有力な立場に立ったことは事実だ。W3Cの今後の動きに注目だ。

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