ソニー再生計画 - 1万人削減、不採算の15部門は撤退、縮小を検討へ

 

ソニーは、不振に陥ったエレクトロニクスをはじめとする事業の再生、ブランドの復権を目指す中期経営方針を発表した。2007年度末までに2,000億円のコストを削減、全世界で1万人の人員を削減、保有する不動産や株式、不要な資産などを見直し、1,200億円相当を売却する。また、不採算事業、戦略的重要度が低い事業の廃止、縮小、モデル数の削減、製造拠点の統廃合なども実施する。さらに、現行のカンパニー制を撤廃、縦割り型体制を排し、各事業分野の横断的な連携を標榜する組織改革を行い、2007年度に連結で5%、エレクトロニクス部門で4%の営業利益率、連結売上高8兆円以上を目標としている。同社は同時に、2005年度の連結業績を下方修正、営業/最終損益が、それぞれ200億円、100億円の赤字に転落する見通しとなった。

ストリンガーCEOがエンターテインメントを、中鉢社長がエレクトロニクスを牽引する

ソニーの中鉢良治社長(右)、ハワード・ストリンガー会長兼CEO(中央)、大根田伸行EVP兼CFO(左)、ウオークマンの新製品を手に、改革を宣言

エレクトロニクス、ゲーム、エンタテインメントの三つをコア事業と位置づけ、今回のコスト縮小策では、事業の絞込みで1,300億円を削減、エレクトロニクスの15分野で、収束、縮小、他社との提携、事業売却などを実行するとともに、製品モデル数を2005年度比で20%削減、製造拠点数を65から54に減少させる。これらの施策により、2007年度末までに国内4,000人、海外6,000人、全世界で10,000人のグループ人員を削減、「構造改革費用」として2,100億円を計上する。内訳は、2005年度が、ブラウン管製造設備、早期退職費用などで1,400億円、2006年度は製造拠点の統廃合、早期退職費用などで700億円で、2007年度末までに、1,230億円の効果があるという。

先週、一部報道では、金融分野の分離、So-netを運営するソニーコミュニケーションネットワーク(SCN)や、12.5%出資するスカイパーフェクト・コミュニケーションズの売却か出資比率の大幅引き下げ、高級AV家電ブランド「QUALIA」の廃止、ロボット事業の相当の縮小などの施策を同社が考えている、とされたが、同社は金融関連では、同領域を統括するソニーフィナンシャルホールディングスの株式上場を2007年度以降に延期するものの、売却、撤退はしない方針だ。SCNは今年度中の株式上場、スカイパーフェクト・コミュニケーションズの株式保有も現状のまま継続、「QUALIA」は事業は存続するが、新規開発を停止、ロボットは、技術はAIに有効活用する方針だが、事業は縮小する方向であることを明らかにした。

組織改革では、カンパニー制を取りやめ、コンシューマエレクトロニクスは、3ネットワークカンパニー、8事業組織を、「テレビ」「ビデオ」「デジタルイメージング」「オーディオ」の4事業本部と「VAIO」部門に改め、組織の層を圧縮、4つあった部以上の階層を3つにする。さらに、これまで、同社停滞の要因として浮上した「顧客の視点欠如」「技術力の相対的低下」、現場と本社の乖離など「オペレーション力低下」といった事態への対処策として、全社横断的機能を強化、技術開発本部、ディスプレイデバイス開発本部を新設するほか、商品戦略会議、生産戦略/販売戦略会議、技術戦略会議などを設け、中鉢良治社長兼エレクトロニクスCEOが、コアコンポーネント、半導体、VAIOなどを、井原勝美副社長がテレビ、ビデオを担当するなど「横串体制で、全体を最適化する観点で管理していく」(中鉢社長)意向だ。

エレクトロニクスの復活、ひいては全社の回復につながる最重要課題であるテレビ事業では、ブラウン管型は拠点集約を加速、液晶型は先般投入した新ブランド「BEAVIA」で、大画面市場を狙い、リアプロジェクション型は、部品調達先を国内から中国を中心とするほか、分散していた設計体制を日本に一極集中させ、部品点数を3割削減するなどの策を講じ、2006年度下期に黒字化することを目標とする。

一方、「成長戦略」については、HD(High Definition)対応を強化、業務用から個人向けまで、入出力、コンテンツに至るまでHD化を進め、2005年時点で35%であるHD化対応を2007年には75%にする。また、新たに開発本部を設置するなど、重点を置くディスプレイデバイスでは、有機ELの注力するほか、ソフトウェア開発体制を強化、米国、中国に開発拠点を備える。

ソニー復活への数値指標

縦割りを排する組織構造を目指す

同社のハワード・ストリンガー会長兼CEOは「リストラだけで慢心していてはいけない。変革は継続的なものであり、競争環境がそれを要求している。行動で示さなければならない。ソニーは大きな変貌を遂げると確信している」と述べた。中鉢社長は営業利益率や売上計画について「厳しいターゲットと思うが、達成できると考えている」と語った。

ソニーの新経営陣による再生計画の具体案が示されたわけだが、人員削減、コスト低減化組織構造の改変が軸であるようだ。同社は、「エレクトロニクスの現状」について、社内外から、さまざまな意見を聴取した。エンドユーザーからは「最近、欲しいと思う商品がソニー以外から出ることが多くなった」「機能が充実している反面、使い方がわかりにくい」との声が寄せられたという。今回の発表では、このあたりに対する解決策はもうひとつ明瞭ではなかったのではないか。今後、同社は、エレクトロニクス15部門の見直しに着手する。何がなくなり、どうなるのかは今回公表されなかったが、この詳細が明かされれば、顧客の認識への回答はもうすこし鮮明になるだろう。



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