打倒マイクロソフトを目指して - 金山がWPS Office 2005をリリース

 

9月のはじめ、金山は北京市内のホテルで「WPS Office 2005」の正式リリースを発表、12日16時以降、その体験版を百日間に限り、同社ホームページと一万近くの提携サイトからダウンロードできるというキャンペーンを始めた。

今回の「WPS Office 2005」は、3年以上の期間と数千万元に上る資金を投入し、500万行以上のソースコードを書き直して出来上がった戦略商品だ。WindowsとLinux双方のシステムに対応しつつ、ほぼ完全なMicrosoft Officeとのデータ互換性を持つ。しかもサイズは20MB以下と小さいためインターネット環境に最適であるという。

WPS Office 2005とMicrosoft Officeは似ている、という指摘に対しては、「これまで我々の弱点は性能ではなく、ユーザビリティを重視する設計コンセプトの欠如にあった。2005バージョンはユーザーの使い勝手を最大限に重視した結果、市場で最も使われているMicrosoft Officeに似ているとの感覚を与えたのだろう」(金山社長・雷軍氏)としている。

金山のWPSシリーズがマイクロソフトに照準を定めているのは今に始まったことではない。金山の現董事長である求伯君氏が1988年にWPSを開発した時は、DOS時代のコンピュータユーザーの中で隠れた人気を誇ったが、1995年のWindows 95のリリースで一気に窮地に立たされたのである。その後も何度かマイクロソフトへの反撃を試みはしたものの、Windowsに慣れ切ったユーザーの心を掴めなかったという経緯があるのだ。

金山はマイクロソフトに苦杯を舐めさせられながら、アプリケーションソフトやゲームソフトで食い繋ぎ、臥薪嘗胆でマイクロソフトとの戦いに備えてきた。こうして登場した今回の製品では、既存のWindowsユーザーに違和感の無いよう、操作画面、ファイル形式、カスタマイズのインタフェースなど、全てをMicrosoft Officeと互換性のある仕様に仕上げた。さらに、ファイルの権限管理などMicrosoft Officeにはない特色もそれなりに出している。かなりの自信作といえるだろう。

WPS Office 2005の拡販も準備している。製品の拡販チャネルについては、ダウンロード体験版と同時に、伝統的な店頭販売チャネルでも9月12日から全国26省にある代理店で20元という低価格で2005バージョンを入手できるという。これは海賊版対策にもなりそうだ。さらに法人版では既存の価格体系を維持するものの、製品の自動アップデート機能以外にも、さまざまなカスタマイズ機能が大幅に増強されている。

WPSは今後、海外戦略も強化する。2005バージョンは最初から海外市場を視野に入れており、多言語でサポートされているが、その最初の狙いが日本市場になりそうだ。今年初めに成立した日本法人を通じ、まずは日本の管理ソフト市場に橋頭堡をつくり、徐々に市場開拓を進めていく戦略だ。日本語版WPS Office 2005のリリースも近いだろう。

これまで国産の管理ソフトは多国籍巨大企業と海賊版に挟まれて、ユーザーの信頼を得られずにいた。Officeといえばマイクロソフトだという現状を打破するため、金山は今回のキャンペーンに莫大な資金を投じ、ユーザーに体験版を配り、その性能と信頼性をアピールする。金山は中国の管理ソフト分野で打倒マイクロソフトの旗手になると自負しており、意気込みには並々ならぬものが感じられる。しかし、マイクロソフトと比較すれば、資金力、ブランド力、マーケティング力など全ての面で巨大な差があることもあきらかである。果たしてどこまでマイクロソフトと勝負できるのか。金山の挑戦には、市場から熱い視線が注がれている。

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