韓国政府の文化観光部と韓国文化コンテンツ振興院は、共同で「2005 音楽産業白書」を発行した。これによると2004年の韓国では2003年に引き続き、着信メロディやストリーミングなどデジタル音源配信(以下デジタル音楽)の市場規模が、CD販売のそれを上回るという結果が出ている。
同白書によると、CDやデジタル音楽などを含めた全体の音楽産業規模は、4206億ウォン(約420億6000万円)だった2002年から、2003年には3683億ウォン(約368億3000円)、2004年には3352億ウォン(約335億2000万円)と、継続して縮小している。
CD産業とデジタル音楽産業の規模を比べてみると、2002年には前者が2861億ウォン(約286億1000万円)、後者が1345億ウォン(134億5000万円)だったのに対し、2003年は前者が1833億ウォン(約183億3000万円)、後者が1850億ウォン(約185億円)とデジタル音楽産業の規模がCDのそれを初めて上回り、2004年には前者が1338億ウォン(約133億8000万円)、後者が2014億ウォン(約201億4000万円)と、その差を大きく広げている。
これに伴ってCDを販売する店舗や、卸売業の数も年々減っている。とくに卸売業は2004年時点で5件しか残っておらず、32件だった2000年の6分の1以下までに数を減らしている。同様に小売を行う店舗も、2000年の5800件から2004年には350件と、16分の1以下までとなっている。もともとブロードバンドの普及率が高いうえ、デジタル音楽の普及でCDの市場および店舗は縮小せざるを得なくなっているようだ。
デジタル音楽の中には、音楽配信サービスにより配信やストリーミングが行われている音楽のほか、着信メロディやリングバックトーンも含まれている。これらがデジタル音楽産業の中でどれほどの比率を占めるか見てみると、着信メロディおよびリングバックトーンの規模が、ストリーミングおよびダウンロードのそれを大きく上回っていることが分かる。
着信メロディおよびリングバックトーンは、2002年には1291億ウォン(約129億1000万円)、2003年に1767億ウォン(176億7000万円)、2004年には1840億ウォン(約184億円)と、2年で1000億ウォン台前半から2000億ウォンに迫るまでに成長している。一方ストリーミングおよびダウンロードは、2002年に39億ウォン(約3億9000万円)、2003年に45億ウォン(約4億5000万円)、2004年には173億ウォン(約17億3000万円)と、産業規模が2年で約4倍に伸びている。
文化観光部では「2000年以降、デジタル音楽は成長傾向で、とくにモバイル関連の音楽コンテンツは不法共有などが不可能という特徴のため規模が急成長している。一方ストリーミングおよびダウンロードは、いまだ不法サイトが存在し有料サイトが活性化していないという理由により、緩やかに成長している」と分析している。ただし2003年から2004年に見られる産業規模の大きな成長幅を見ると、ストリーミングなどについても今後の成長は期待できる。
韓国で現在もっとも大きな問題のひとつとなっている、音楽の著作権をめぐる無料および有料配信に関連する結果も報告されている。かつて無料で音楽配信をしていたBugs Musicと、Bugs Music以外の有料音楽配信サイトおよびポータルサイト内の音楽配信サービス合計20サイトの1日のユニークユーザ数の平均を見てみると、2004年10月には前者が115万974人、後者が40万8211人と、前者が後者の2倍以上だったのに対し、2005年3月には前者が66万3814人、後者が68万8011人と、ほぼ同レベルまでになっていることが分かる。
大きな転機は2004年12月から2005年1月にかけての時期にある。2004年12月、前者が103万7251人と、いまだ100万人レベルを維持していたのに対し後者は59万7018人と、同年3月から若干増加したにすぎなかった。それが2005年1月には前者が69万919人と大幅に落ち込んだ一方で、後者は67万336人と大幅ではないものの着実にユニークユーザ数を増やしている。
2004年後半から2005年にかけては、韓国における音楽著作権保護および有料化が急速に進み始めた時期だ。音楽著作権協会などが率先して無料音楽配信サイトを著作権違反で訴えるなど、無料サイトに対する態度を強めている。その影響で無料サイトが一部を有料化するなどの動きがあったほか、今年に入ってBugs Musicも有料化に切り替えている。一方、有料サイトは地道な活動で着実にユーザを増やし、無料サイトに追いつくまでに勢いを増している。
デジタル音楽配信サービスを提供している企業の傾向についてもまとめられている。音楽配信サービスを行っているのは、音楽配信専門業者、携帯電話キャリア、DaumやNaverといったポータルサイト運営業者、Samsung電子やReigncomといった音楽ブレイヤーメーカーだ。コンテンツを保有している音楽事務所が行うのではなく、その周囲のIT企業が行っているという部分に特徴があるといえるだろう。
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