リコーは、人気のあった銀塩コンパクトカメラ「GRシリーズ」のデジタルカメラ版「GR DIGITAL」を10月21日から発売する。有効画素数813万画素CCDと新開発のGRレンズで高画質・高解像度を目指しつつコンパクトなきょう体に仕上げた。価格はオープンプライスだが、実売想定価格は80,000円前後。
GRシリーズは、1996年のGR1から始まった、リコーのハイエンドコンパクトカメラだ。広角単焦点の高性能レンズを搭載、高い描写力で一眼レフカメラのサブカメラなどとしてハイエンドユーザーを中心に支持されてきた。昨年9月にドイツで開催された写真関連の総合展示会photokinaでこのGRシリーズのデジタルカメラ版の開発が明らかにされ、GRユーザーをはじめとして期待が高まっていた。
今回発表されたGR DIGITALは、「伝統のカメラの名を冠するので、断じて妥協したものは出せない」(坂巻資敏・常務執行役員・パーソナルマルチメディアカンパニープレジデント)という意気込みで開発された。(1)A3以上のカラー印刷原稿に耐える画像(2)四つ切り以上の銀塩プリントに耐えられる画像(3)安定した、ばらつきのない画質――を目指した。
これらを実現するため、レンズは新開発のGRレンズを採用。同社独自の「リトラクティングレンズシステム」を採用して収納時の薄型化をはかった。レンズは35mm判換算で28mm相当の焦点距離を持つ単焦点レンズで、F値は2.4、レンズ構成は5群6枚。絞り羽は7枚で、NDフィルターも内蔵しており、自然で美しいぼけ味がでるように配慮した。
レンズの性能を数値で示すMTF曲線では、銀塩のGRシリーズより高い数値を示し、レンズの歪曲収差、周辺光量、球面収差を良好に補正。高いレンズ性能を実現しているという。
撮像素子は1/1.8型の有効813万画素CCDで、画像処理には新たに開発した「GRエンジン」を採用。微少画素のCCDながら、低ノイズ化をはかり、なめらかで周辺まで良好に解像する高画質を達成、正確な露出とホワイトバランス、マクロ時のAF精度向上などが実現した。
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画像処理は新しいGRエンジン。周辺まで良好に解像させる高画質を実現 |
コンパクトデジタルカメラで問題とされやすいノイズは、ISO100であればAPS-Cサイズの撮像素子を使ったデジタル一眼レフカメラと遜色ないという |
外装にはマグネシウム合金を採用、高い質感と耐久性・堅牢性を両立させた。107.0(W)×25.0(D)×58.0(H)mmと薄型でコンパクトなデザインを実現しつつ、前面と背面にダイヤルをもうけ、絞りとシャッタースピードを別々に設定できるなど、柔軟な操作性も備えた。
背面には視野率100%の2.5型21万画素液晶モニターを配置。光学ファインダは排除し、オプションで21/28mm対応のビューファインダ「GV-1」を用意する。ビューファインダはレンズ真上にもうけられたホットシューに取り付ける形になる。
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本体背面。2.5インチの液晶を搭載する。上部のADJ.ボタンはダイヤルも兼ねている。右上端のレバーはデジタルズーム用レバーだが、デジタルズームをオフにすれば別の機能を割り当てられる |
本体上部。シーンモードが用意されているが、「文字」と「音声」だけと割り切っている。レリーズボタン前面にもダイヤルを装備 |
拡張性については、焦点距離21mm相当を実現するワイドコンバージョンレンズを始め、37mm径の各種汎用フィルタ・レンズが利用可能だ。また、市販されている外付け調光機能付きフラッシュを取り付けることもできる。同社では、シグマの「EF-500 DG SUPER」「EF-500 DG ST」を推奨品として挙げている。さらにカスタマイズサービスを用意。レリーズボタンを押す際の重さを調整するレリーズボタンアジャストサービス、GR DIGITALを2台以上所有した場合に、各端末のAE/AWBの個体差を近づけるAE/AWBアジャストサービス、レンズ鏡胴に刻まれたシルバーのGRレンズの刻印をブラック仕上げに交換するレンズネームリング交換サービスを実施する予定だ。
撮影機能としては、シャッタースピードが180・120・60・30・15・8・4・2・1~1/2000秒、絞りがF2.4~F11、ホワイトバランスがAUTO / 固定(屋外 / 曇天 / 白熱灯 / 蛍光灯 / 手動設定 / 詳細設定)などとなっている。記録媒体はSDメモリーカードとMMCで、内蔵メモリ26MBも搭載する。電源はリチャージャブルバッテリーDB-60×1、または単4形乾電池×2で、撮影可能枚数はDB-60で約250枚、単4形アルカリ乾電池で約30枚(いずれもCIPA準拠)。本体サイズは107.0(W)×25.0(D)×58.0(H)mm、約170g。
同社では、GR DIGITALの登場時期について、「あと1年早かったらデジタル一眼レフに隠れ、あと1年遅かったらほかの製品の後塵を拝する」(坂巻氏)ことから、「今が出すとき」(パーソナルマルチメディアカンパニー ICS事業部・湯浅一弘事業部長)と、最適なタイミングであることを強調する。湯浅氏は現在のデジタルカメラ市場では、5割以上が買い換え層だとし、持つ意味や持つ価値のあるデジタルカメラでないと市場では生き残れない、と指摘。「本物志向のコンパクトデジタルカメラが求められ」(湯浅氏)ており、それがGR DIGITALだと、自信のほどを見せた。
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