ソフトバンク、岩手競馬と提携、馬券をネット販売、レースも中継配信

    大川淳  [2005/09/07]

    ソフトバンクグループは、岩手県競馬組合と提携し、同組合が主催する競馬レースの馬券(勝馬投票券)を2006年4月からインターネット経由で販売するとともに、岩手競馬のポータルサイトを設置する。全レースの模様をネットで中継配信するほか、同県の競馬関連情報を発信する。これにより、岩手競馬の商圏を全国に拡大、経営不振の状況から脱し、2007年度以降の黒字転換を目指す。競馬実施についての事務を民間企業へ委託可能とした、今年1月施行の改正競馬法を活用する。

    ソフトバンクの孫正義社長(左)と岩手県の増田寛也知事

    同県には盛岡競馬場と水沢競馬場があるが、現地に足を運ばなければ馬券は入手できなかった。しかし、ポータルサイトを設置すれば、パソコンや携帯電話などで全国どこからでも購入できるようになる。また、出走馬、騎手、オッズなどの情報や初心者向けのHowTo情報を提供するほかブログも用意する。

    同組合が開催する「岩手競馬」は、「みちのくレース岩手競馬」の愛称で親しまれてきたが、近年の景気低迷やレジャーの多様化などの影響で経営状況が悪化した。売上げから返還金を差し引いた「売得金」は96年度には25億円だったが、2004年度には8億円にまで落ち込んでおり、累積赤字は140億円に上るという。

    このような局面を打開するため、同組合は今年2月に岩手競馬再生に向けた計画を公表、「改正競馬法に沿って民間の手法を積極的に活用し、岩手の地域情報を発信していく」(増田寛也岩手県知事)方針を採るという。インターネットによる馬券販売により、現在は北東北に限られる40-50代を中心とした、180万人といわれる商圏をさらに拡大し、20-30代を誘引していく意向だ。同組合では、ネットによる馬券売上げを初年度で10億円と見込んでおり、将来的には80億円にまで伸ばしたい、としている。

    地方競馬の低迷は、岩手だけではなく全体的な流れで、売得金額の合計は91年度の9800億円を頂点として低落傾向を続け、2004年度には3000億円台にまで減少しているという。一方、日本中央競馬会(JRA)が開催する中央競馬の売得金額は04年度で1兆2,000億円、概ね右肩上がりで、売得金額の42%が電話/インターネット経由だが、岩手競馬では3%に留まる。ソフトバンクの孫正義社長は「JRAも電話/インターネットを使わなければ、地方競馬と同様の状態になったのでは」と指摘、インターネットは競馬の運営に適していると強調、今後、他の地方競馬にもネット販売を広げていく方針だ。

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