「家庭で水力発電」の時代? 神鋼電機が500Wクラスの発電装置を開発

    大塚実  [2005/08/31]

    リッター水力発電装置の本体外観。このほか、コントローラ・バッテリも付属する

    神鋼電機は、1秒間に数リットル程度の水量で発電が可能という超小型水力発電機「リッター水力発電装置」を開発、9月末より販売を開始すると発表した。一定の水量・落差が必要となるため、主に山間・山麓部での利用となるが、価格を抑え、一般家庭や小型事業向けの製品とした。代理店からの販売が中心となり、同社は年間数百台の販売を見込んでいる。

    同社が開発したのは、0.5kWタイプと1kWタイプの2機種。どちらも大きさは540(W)×450(D)×500(H)mmと小型で、0.5kWタイプは毎秒2~10リットル、1kWタイプは同4~20リットルの流量で発電が可能。実際の発電量は設置条件等により異なるが、例えば0.5kWタイプの場合では、流量6.5リットル/秒、落差6mで230W程度になるという(最適な落差は10m程度だ)。

    「水力発電」というと、一般的にはダムなど大規模な施設のイメージが強いが、最近ではマイクロ水力発電(100kW程度以下とされる)のような、小規模なシステムも普及しつつある。さらに小型のものでは、10kW~20kWクラスのものもあるが、同社が開発したような1kW以下の製品は、これまであまりなかった。水力発電はクリーンなエネルギーとして注目されているが、水資源の豊富な日本では小規模水力発電の余地はまだまだ高く、小型化・低価格化によって一層の普及も期待できそうだ。

    本体価格は、0.5kWタイプで98万円程度(設置費用別)、1kWタイプで145万円程度(同)となるが、同社の試算では、約11年から15年前後で装置のコストは回収できるという(※コントローラ効率を80%とし、24時間連続運転した場合。電気料金は21円/kWhで計算)。本体は30~40年程度は利用可能で、交換が必要な部品としては、水車のベアリング(寿命:約10年)、バッテリ(同3年)がある程度だ。

    設置のイメージ。取水ホースと排水ホースを、本体に繋げて利用する。水車はクロスフロー方式

    一般家庭用のエコ発電システムとしては、今までのところ太陽光発電や風力発電が先行しているが、水力はより安定した発電が見込めるという長所がある。設置場所によっては、水利権・河川法などの問題や各種許認可が必要になる場合もあるが、今年7月には「小水力利用推進協議会」も設立されており、今後、普及に向けた規制緩和なども期待されている。

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